自分がやりたい場所で演じるこだわり
――そのほか、将来の目標があれば、教えてください。
昔からありますけど、毎回リニューアルして変動するんですよ。やっぱり、今は自分がやりたい場所でやることですかね。そして、自分が見たいとか、携わりたいとか、残したいと思う作品に一本でも多く出て、それをしっかり届けることがいちばんだと思うんです。今、自主映画界も含め、好きな監督がいっぱいいすぎて、この監督の映画に出たいと一言では言えないです。ただ映画を見るようになって、いちばん最初に影響を受けたのは、是枝(裕和)監督なので、是非ご一緒してみたいですね。あと最近思うのは、去年大御所の監督さんが何人か亡くなりましたけど……これは、自然なことなんでしょうけど、自分が俳優として間に合わなかった悔しさみたいなものがあるんですよ。だから、今後はできるだけ、そういう思いをしたくないというか、繋いでいくことができればいいですね。
――私生活でも、かなりの本数の映画をご覧になっている池松さんですが、最近お気に入りの作品はありますか?
去年は卒業制作で自分の映画を撮っていたので、あえて映画を見なかったんですよ。今、後追いで見ているところですが、加瀬亮さんも出ているアッバス・キアロスタミ監督の『ライク・サムワン・イン・ラブ』が良かったです。あと、相米慎二監督の特集上映に通っていたんですけど、今こうやって自分が映画館で相米監督の作品を見れることがうれしくて、改めて映画っていいなあと思いましたね。よく上の世代の人たちが「相米監督の現場を経験してる、してないで、役者として全然違う」みたいなことを言われるんですけど、そればっかりはしょうがないですよ。僕も経験したかったですよ!
2013.03.07(木)
text:Hibiki Kurei