手間暇が詰まったおだし8選
いつもの食事をワンランクアップ！

　忙しい毎日の中、手軽に使えるだしパックや粉末、濃縮だしは頼もしい味方。椎茸、昆布、野菜、さまざまな食材の旨みをギュっと詰め込んだ、料理を格上げしてくれる逸品を紹介します。

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伝統製法“手火山造り”の鰹節

A：カネサ鰹節商店「花厚削り」

　地元の薪だけを使い、ていねいに何度も燻して乾かす古来の製法で作られる鰹節。100℃超の直火で素材のおいしさを閉じ込める。

「味噌汁に使っていますが、5分ほど煮るだけで、濃くておいしいだしが出ます」(寺澤太郎さん)

“幻の蟹”の旨みを 普段の食卓へ

B：かに物語 「FUMET DE CRAB 蟹のお出汁・洋風」

　殻と身に濃い旨みのあるDeep Sea Red Crabの特徴を生かした、だし調味料。和風は昆布や椎茸など、洋風はローストオニオン、セロリなどをブレンド。

「作る料理によって使い分けたいので、両方常備しています」(高橋綾子さん)

老舗が守り続ける 淡麗で上品な味

C：こんぶ 土居「本格十倍出し」

　道南産真昆布、生産者限定の鹿児島県産近海一本釣り鰹本枯節、高知の完全天日塩のみを使用した濃縮だし。湯で十倍に薄めるだけで、おいしいお吸い物に。

「いざというとき役に立つ、不純物なしの味がうれしい」(大原千鶴さん)

大嘗祭の献上品にも選ばれた逸品

D：暮らすファームSunpo 「お山育ちの原木乾燥しいたけ」

　岐阜県産の原木に植菌してから、山の中で2年、ゆっくり時間をかけて栽培された椎茸。

「山中で自然栽培された原木椎茸だからとても風味豊か。とにかく風味豊かで肉厚。ゆっくりだしを取るなら丸ごとタイプ、さっと使うときはスライスタイプと使い分けています」(minokamoさん)

このだしひとつで味が決まる

E：やまや「やまやうまだし」

　焼きあご、昆布、うるめ鰯節、原木栽培椎茸、枯鯖節、鰹節を黄金比でブレンド。上品な薄味がついている。

「これで味噌汁を作ると、必ず夫が『今日のお味噌汁おいしい』と言うことに気づいて定番に」(星野奈々子さん)

香味野菜の凝縮した旨み

F：味の兵四郎「野菜の旨みだし」

　玉ねぎ、にんじんを高温でローストし、にんにく、セロリと絶妙なバランスでブレンド。ほどよい調味で洋風料理がプロ級の味わいに。

「カレーもシチューも、これさえあれば玉ねぎを飴色に炒めなくてもOK」(高橋綾子さん)

「おつゆ」がメインのお料理に

G：七味家本舗「おばんざいのもと」

　鰹節、鯖節、昆布、椎茸など、良質の素材をきめの細かい粉末にした、だしパック。一番だしは汁物、二番だしは煮物におすすめ。

「残り物の青菜や京小花麩に、このおだしを注ぐだけで、上品なお吸い物に」(金城祐美さん)

どこでも気軽に おいしいおだしを

H：雅結寿(みやびゆいのじゅ) 「お魚ブレンド」
I：雅結寿(みやびゆいのじゅ) 「のむ天然おだし 鹿児島ドリップ」

　食塩、化学調味料、酵母エキスなどは一切使っていない。

「〈のむ天然おだし〉は二日酔いのときの救世主。クリアな味がしみじみおいしい。微粉末の料理用だし〈お魚ブレンド〉は、汁物、鍋物、煮物と大活躍です」(高橋綾子さん)

2020.08.29(土)
Text＝Yuki Ito
Photographs＝Takafumi Matsumura, Hirofumi Kamaya
food coordinate ＆ styling＝Nobuko Nakayama

CREA 2020年9・10月合併号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。