美術館や博物館へ出かけたら、作品の優れたデザインを活かしたミュージアムグッズも楽しみのひとつ。定番のポストカードやステーショナリー類のみならず、食器やアパレルなど、日常使いできるアイテムも増えています。
ここでは、こだわりのオリジナルグッズを展開するミュージアムを、ミュージアムグッズ愛好家の大澤夏美さんがガイドします。
【青森】青森県立美術館

独自性のある企画展が面白い、青森にゆかりのある収蔵品が魅力的、建築も最高にかっこいい……その魅力を挙げればきりがないくらい!
国内外のアートファンからの熱い視線を浴びているのはもちろん、地域に根差した学芸力のある美術館、というのが、多くのかたが青森県立美術館に対して抱いている印象なのではないでしょうか。

代表的な収蔵品としては、奈良美智《あおもり犬》、シャガール《バレエ「アレコ」舞台背景画》があります。
棟方志功や青森の教育版画などの版画作品も見逃せません。地元作家の作品も常設展などで見ることができ、アートを通じて青森という土地の風土や文化を知ることができます。

また、この美術館は建築やVI(ヴィジュアル・アイデンティティ)も興味深い!
作品に没入できる空間作りは、建築家の青木淳が手掛けていて、美術館に隣接した三内丸山遺跡の発掘現場から着想を得たとのこと。
そしてVIは、アートディレクター/グラフィックデザイナーの菊地敦己が手掛けています。
ロッカーの番号から消火器の案内表記に至るまで、細部までオリジナルフォントで統一されているので、美術館での鑑賞体験に集中することができるのがお見事です。
そんな青森県立美術館のミュージアムショップを代表するグッズといえば、奈良美智のドローイングを元にして制作された、青森県立美術館限定「あおもり犬貯金箱」。

見てください、この愛おしさ。彫刻の《あおもり犬》を見た感動を持ち帰るのに、最適としか言いようがない存在感です。
背中に硬貨を入れる穴が開いていて、頭を外せば中身を取り出すことができます。
貯金箱として使っても良し。ただこの可愛さを考えると、自宅のあちこちにオブジェとして飾ってしまいたくなります。
色は白と水色の2色展開。現在はオンラインショップでも購入ができますが、入荷と売り切れを繰り返す大人気グッズなので、気になる方はこまめに入荷情報をチェックなさることをおすすめします!
2020.08.29(土)
文=大澤夏美