美術館や博物館へ出かけたら、作品の優れたデザインを活かしたミュージアムグッズも楽しみのひとつ。定番のポストカードやステーショナリー類のみならず、食器やアパレルなど、日常使いできるアイテムも増えています。
ここでは、こだわりのオリジナルグッズを展開するミュージアムを、ミュージアムグッズ愛好家の大澤夏美さんがガイドします。
【東京】長谷川町子美術館・記念館
![『サザエさん』の作者として有名な、日本を代表する漫画家・長谷川町子。その愛らしいイラストが楽しめるグッズが勢揃い!](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/2/-/img_e2dca73fb82a04cf525f92df9a039526176388.jpg)
新型コロナウイルスの影響で開館延期を経て、2020年7月11日(土)にリニューアルオープンした、長谷川町子美術館・記念館。
特に、長谷川町子の画業が集約された長谷川町子記念館では、「長谷川町子は一体何を描いてきたのか?」という、彼女の作品の本質について考えさせられるのです。
![長谷川町子の生誕100年を記念してオープンした長谷川町子記念館。外壁を彩るモダンなタイルは、1985年に開館した長谷川美術館(現・長谷川町子美術館)を建てる際に、長谷川町子自ら選んだレンガと同じ会社にオーダーしたものだ。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/4/-/img_e4a3de6c3102f9f2000659c0cf4bb80a212228.jpg)
![「サザエさん」と「いじわるばあさん」、そして長谷川町子自身の銅像がお出迎えしてくれる。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/a/3/-/img_a3a3333fd2a08a65a190c605012a6ba9101281.jpg)
![1階には、『サザエさん』の連載が始まった昭和20年代の暮らしを再現したコーナーや、長谷川町子の貴重な原画をデジタルで閲覧することができる。子どもたちが遊べる体験コーナーも。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/0/2/-/img_02e3f0bca00338a640909ba56b8bf49e107399.jpg)
![2階では、豊富な資料から長谷川町子の生涯に迫ることができる。幼少期からの絵の上手さには舌を巻くこと間違いなし。原画の洗練された色彩と美しい描線には、つい見入ってしまう。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/8/-/img_c801f8339467fe81834e7dd3fd507796100007.jpg)
彼女の作品の中には「昭和の暮らし」があり、当時の流行や世相が反映されています。作品を読むだけで昭和という時代を知ることができるのです。
ミュージアムグッズにもその考えが色濃く映し出されていると感じています。
![ミュージアムショップ(購買部)は1階に。カフェ(喫茶部)も併設されている。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/3/9/-/img_39edae697ba9ab49d6af844ae41e618d134657.jpg)
ミュージアムショップを訪れたらまずチェックしてほしいのはこちら、紙ナプキン!
「サザエさん 昭和ファッション紙ナプキン」では、サザエさんのファッションに着目し、昭和21年から昭和49年まで新聞連載された4コマ作品のなかから掲載されています。サザエさん、とってもモードでお洒落だったんですね!
![サザエさん 昭和の道具紙ナプキン 418円。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/7/-/img_b73cdc96619f8924c9d447cac03a0bdd133225.jpg)
「サザエさん 昭和の道具紙ナプキン」では、同じく新聞連載から、昭和の暮らしで使われていた道具に着目しています。
「この道具は、今もあるかも!」「これって、何に使っていたんだろう……?」と思いを馳せるのが楽しい。世代を超えたコミュニケーションのツールとしてもぴったりです。
![上から、サザエさん 昭和40年代マスキングテープ、サザエさん 昭和30年代マスキングテープ、サザエさん 昭和20年代マスキングテープ 各275円。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/6/-/img_e66d02e42dd2d11162af1ad40e996e74143774.jpg)
次におすすめしたいのがマスキングテープ! 衝撃を受けたのは、昭和20年代、30年代、40年代のサザエさんが、それぞれマスキングテープになっているもの。
各年代ごとのマスキングテープ、そこには新聞に掲載された1月から12月までの年中行事や生活の様子が描かれていて、「こんな行事が当時は、一般的だったんだな」「画風が年代が経つにつれて、微妙に違う……!」などと発見があるんです。
ここにも、長谷川町子が日々観察し作品に落とし込んでいた、「昭和の暮らし」を見つけることができますね。
2020.08.16(日)
文=大澤夏美
撮影=山元茂樹