■Q3 「ポチャ」とは何? 本当に人気があるか?
セロイの店「タンバム」は、いわゆる「ポチャ」と呼ばれる韓国式の飲み屋。どんな形態の飲食店なのか?
「ポチャ」は、いま梨泰院でも最も注目される飲食店の業態だ。ひと昔前の梨泰院には、世界各国の料理が味わえる洒落たレストランや、大人向けの異国情緒のあるバーが並んでいた。「ポチャ」が雨後の筍のように出店されるようになるのは、2010年代に入ってから梨泰院の北側にある「経理団通り(キョンリダンキル)」が若者向けのカルチャーの中心地となった頃からだ。
韓国には、「ポジャンマチャ(布帳馬車)」と呼ばれる、屋台で酒とつまみを売る移動式飲み屋があり、今もソウルの夜の街を歩けば、日本の屋台を思わせるポジャンマチャがあっちこっちで目に付く。
この屋台をコンセプトにした韓国式の飲み屋を「ポチャ」という。通常は、焼酎などの韓国酒とつまみが気軽に楽しめる飲み屋だ。セロイの「タンバム」はこの業態にあたる。
一方、日本語字幕では厳密に使い分けられていないが、韓国で「居酒屋」と呼ばれる飲み屋は、正確に言うと日本酒と日本風のつまみをメインメニューとする日本風の店舗のことを指す。
かつては「炉端焼き」とも呼ばれた時代もあった。2019年から始まった日本製品の不買運動の影響で、「居酒屋」から「ポチャ」に業態を変更する店舗も増えており、しばらくはポチャの人気は続きそうだ。
2020.07.21(火)
文=金 敬哲