食べるそばからほろほろと崩れる、伝統菓子「ポルボロン」
修道院では中世の頃から、お菓子を作る伝統があります。
何世紀にもわたって大切に守られ、そして継承されてきたレシピは、決して豪華絢爛なお菓子ではありませんが、どれも素朴で優しい味わいです。
修道院のお菓子を求めて、スペインの地を訪ね歩いた料理家の丸山久美さんに、自宅で簡単に作れるレシピを教えてもらいました。
今回は、スペインにあるクララ会の修道院で生まれた「ポルボロン」というお菓子を紹介します。
ポルボロンは、中世の頃に、お菓子作りが得意と言われている会派「クララ会」の修道院で生まれたとされるとても古いお菓子です。
スペイン南部からスペイン全土に広がり、今ではなくてはならない代表的なお菓子になりました。
簡単に作れるので季節を問わずに食べて欲しいお菓子ですが、スペインではクリスマスに最も多く食べられます。
ひとつずつ紙に包まれて売られていて、ほろほろと崩れてしまったら、紙の中で粉をまとめながら食べます。そう、ポルボとは粉の意味なのです。
甘くて深みのある味わいのアーモンドパウダーを使うと、いっそうおいしくなります。
ラードだけで作るのがスタンダードですが、ここではバターを加えてよりリッチな味わいに仕上げました。
2020.07.15(水)
文・写真=丸山久美