14世紀頃から作られている伝統菓子「カスタードメレンゲ」

 修道院では中世の頃から、お菓子を作る伝統があります。

 何世紀にもわたって大切に守られ、そして継承されてきたレシピは、決して豪華絢爛なお菓子ではありませんが、どれも素朴でやさしい味わいです。

 修道院のお菓子を求めて、スペインの地を訪ね歩いた料理家の丸山久美さんに、自宅で簡単に作れるレシピを教えてもらいました。

 第1回目は修道院が起源とされる「カスタードメレンゲ」のレシピを紹介します。

 中世の頃、大きなかまどを持っているのはお城と修道院ぐらいでした。

 主に、王族貴族の行事などでお菓子作りが行われていましたが、修道院のお菓子の味は王家の人々さえ感嘆したという記録が残っています。

 修道院のお菓子のレシピは、長い間伝承されながら秘伝のレシピとして守られてきましたが、ヨーロッパのお菓子の原点となり、世界中に広がっていくことになります。

 スペインでは修道院のお菓子は、おいしいお菓子の代名詞として、今でもとても愛されています。

2020.06.22(月)
文・写真=丸山久美