それでもセルフカラーしたい場合に、気をつけたいこと
デメリットをつらつらと並べましたが、それでも今すぐセルフカラーをしたい方へ向けて、いくつかアドバイスをします。
▶︎白髪染めの場合
1. 根元を染める事だけに注力しましょう
白髪染めを毛先まで塗るのはお勧めしません。先述した、・根元より毛先が濃い(暗い)状態になりやすいからです。問題なのは、根元を染めるつもりの薬で、毛先が染まってしまうことです。
髪の毛は健康な根元よりも、ダメージを負った毛先の方が染まりやすい特性があります。染めたい根元よりも、ダメージのある毛先の方が黒く染まりやすいため、なるべく毛先には薬がつかないようにしましょう。
2. クシから薬が出るタイプを使用しましょう
一番確実に根元の白髪を染められるのはこのタイプだと思います。後頭部などは難しいと思いますが、特に気になる顔周りや生え際を鏡を見ながらピンポイントに塗布できるのが特徴です。
逆に、泡カラーと呼ばれるものはお勧めしません。シャンプーの泡のような感覚で染めるものです。手軽さという意味ではかなり楽ですが、泡はそもそも不均一に塗布されがちなのでムラになりやすく、根元も染まりにい。毛先にも薬がついてしまいます。
そして泡はクリーム状の薬より水分が多いため、毛穴に入り込んで肌荒れなどの影響が出やすいように思います。
▶︎おしゃれ染めの場合
1. たくさんコーミングをしましょう
薬の塗りムラを防ぐため、薬を塗った後にできるだけコーミング(くしを通す)をしてください。この際には、毛束に対してコームが90度になるように注意しましょう。角度が鋭角だと、つけた薬をコームの根元でこそぎ取ってしまい、塗布料が少なくなってしまいます。
2. 後頭部にも意識を向けましょう
お風呂場や洗面台で鏡を見ながらやることになると思いますが、オールバックのようにコーミングすると、どうしても薬が顔付近に集中しやすくなります。くしを入れる方向を変えたりしながら、後頭部にも薬がつくように意識しましょう。
くれぐれも慎重に
このご時世ですから、美容師側から「カラーは絶対に美容室で!」と強制はできません。最近では、セルフカラーの通販もメディアで話題になっているようです。実際に触れていないので薬の良し悪しはわかりませんが、『自分でやる』難しさは変わりません。
それと、次また美容室でカラーをする際には、恐れず「カラーは自分でしました」と言ってください。美容師さんは渋い顔をするかもしれませんが、その『履歴』もまた美容師さんがカラーをする際の判断基準になります。髪の『履歴』次第で、使用する薬の力を落としたりするなど、配慮してくれるはずです。
美容室のカラーとセルフカラー、良くも悪くも、納得した上で選んでいただければと思います。
操作イトウ(そうさいとう)
東京都二子玉川を拠点にする30代美容師。「ヘアスタイルはロジックで美しく、カッコよくなる」「ステキな美容師さんに出会ってほしい」をメインテーマにしたブログをnoteにて執筆。
Twitter @itohcontroller
Official Web Site https://note.com/itohcontroller
※こちらの記事は、2020年5月31日(日)に公開されたものです。
記事提供:文春オンライン
2020.06.09(火)
文=操作イトウ