【知らないと損をする! 注目トピック】
マイホームの予算は“借りられる金額”ではなく“返せる金額”で決めよう
毎月返済額から考える無理なく返せる借入金額(元利均等返済の場合)
「家賃なみの住宅ローン」の言葉を信じて購入したものの、実際は返済額の増加、固定資産税や修繕積立金ほか、駐車場代や火災保険など諸費用がかかり、賃貸の頃の家賃以上の支払いに苦しむ例も少なくない。「金融機関が示す借入可能額は、実際に返せる金額とは同額ではありません! 自分が無理なく返せる金額から考えて、マイホーム予算を計算しましょう」(前野さん)。例えばマンションを購入して毎月10万円を住宅費へあてる場合、管理費と修繕積立金に2万円かかるとして、実際のローン返済額は毎月8万円。返済期間35年、金利2.5%とすると、借入金額は2237万円。頭金に自己資金を500万円払ったとして、無理なく買える価格は2607万円となる。
(自己資金+借入金額)÷1.05=マイホームの予算
文中のケースの場合:(500万円+2237万円)÷1.05=2607万円
※この計算式は前野さんオリジナル理論です。詳しく知りたい方は『ズボラでも大丈夫! 書き込み式一生役立つお金のキホン』(日本経済新聞出版社)を参照
消費税アップに焦らないで! ローンの借り方で総額は大きく変わる
消費税は2014年に8%、2015年は10%に増税する可能性が。2000万円の物件は現在の5%で2100万円、8%で2160万円、10%なら2200万円に。最大差額は100万円だ。「でも、金融機関を比較すると、金利のほか手数料や登記費用、団体信用生命保険料、諸経費の違いで大きな差が。2000万円の借入金を35年の返済で5社見積もったら300万円も差が出ました。目先の消費税に焦るより、頭金を準備して、納得のいく借入先を探すべき」(前野さん)
“買えそうな気にさせる”変動金利に要注意!
過去に例をみない低金利の時代で、変動金利は低め。つい買えそうな気になってしまうけれど……。「人気の変動金利は、金融機関にとってリスクが低いので、今は金利が低め。とはいえ、変動金利は半年ごとに金利の見直しがあり、今後、世の中の金利が上がれば、利子が増えて返済額が増えてしまう可能性が出てきます。住宅ローンは35年など、長期にわたる借金なので、将来の収入低下や増税、年金減少を考えたら、リスクは避けるべき。おすすめは超低金利をいかした長期固定金利。今は変動金利よりも高いけれど、将来金利が上がっても返済額は変わらず安心です」(前野さん)
監修
前野彩さん(ファイナンシャルプランナー)
「住宅ローンで大損しないためには」等、自身の経験を生かしたアドバイスで絶大な支持を集める。簡単にマネープランがたてられる著書『ズボラでも大丈夫! 書き込み式 一生役立つお金のキホン』(日本経済新聞出版社)が好評。ウェブサイトは「FP彩ちゃん」で検索。
『危うくムダなお金を払うところでした』
女性のライフイベントごとに「知らなきゃ大損!」という制度やシステム、利用法をやさしく解説。(産経新聞出版)
2013.01.17(木)
text:BEAM(Yoko Maenaka / Rie Tanaka)