ジャニー喜多川氏亡き後の 山下の存在感

 昨年7月、ジャニーズ前社長でありタレントたちの親代わりでもあるジャニー喜多川氏が亡くなった。そこから事務所の求心力が弱まっていることは否めない。

 「山Pは『ジャニーズの新しい道を切り開いている』という自負が強く、『やることやっていれば意見をいう資格はある』と口にすることもある。

 とある若手には、『お前が言うとカドが立つけど、俺がうまく伝えてやる』と事務所との折衝を請け負ったこともありました。若手は山下の采配に感謝していましたよ。ジャニーさん亡き後の事務所で、山Pの存在感は日増しに大きくなっています」(同前)

 仕事も順調だ。2019年は中国・香港合作映画『サイバー・ミッション』への出演で海外初進出。今年6月からはHuluで全世界に配信されるドラマ「THE HEAD」にも出演する。

 「昨年、ジャニーズ事務所は海外の芸能事務所と山下のマネジメントの一部業務提携の契約を結びました。こんなことをしているのは事務所では山下だけ。海外での仕事の増えてきた山下のための異例の待遇なんですよ 」(事務所関係者)

元SMAPとジャニーズの架け橋に?

 実は山下はJr.時代から海外志向が強く、「いつかは仕事で使える英語力を」と語学の習得にも熱心だったという。

 「幼い頃から多忙だったこともあり、明治大学商学部時代にはまだまだでしたよ。1年の英語の講義で最前列に座ってヤル気は満々。でも途中で手を挙げて、先生に『be動詞ってなんですか?』と質問して、さすがに周囲が引いたというのは今でも伝説になっています(笑)。

 しかし卒業後も個人授業を受けたり、英語圏のカノジョを作ったり、英会話番組のMCを務めたりと、情熱はおとろえなかった。去年、『サイバー・ミッション』では流暢な英語と中国語を披露し、Huluドラマの撮影のために3カ月間1人でアメリカ滞在したときも、日常生活は何の問題もなかったそうです」(同前)

 いまやすっかり「英語のできるワールドワイド俳優」となった山下。世界の舞台でジャニーズのタレントが活躍するのは、亡きジャニー氏の夢だった。それを一番手で体現しているのだ。

 「Smile UP! Project」の新型コロナ支援で “次世代ジャニーズ体制”が固まりつつある今、ジャニーイズムを継承するタッキーの右腕幹部候補となっている山下。山下が元SMAPとジャニーズ事務所に橋を架ける、そんな未来もあるのかもしれない。

※こちらの記事は、2020年5月17日(日)に公開されたものです。

記事提供:文春オンライン

2020.05.29(金)
文=山本 雲丹