「僕らが空気を変えて、番組を盛り上げたい」

――「焼け野原」なのに?

南條 たぶん、あの時、この雰囲気に唯一、食われなそうなのが僕らだと思ったんです。

三島 格好も、ネタのスタイルも、かなりの変化球なので、僕らならこの場をリセットできるんやろなと思って。ここで1発、空気を変えて、後ろの組にいいバトンを渡そうみたいな。

――番組全体のことも視野に入れていたわけですね。

南條 スタジオにいると、そういう気分になってくるんですよ。盛り上げたいって。番組として、尻上がりになって欲しいじゃないですか。

三島 もちろん、ここでウケたら、強烈なインパクトを残せるなという考えもありました。なので、次来い、次来い、って。

――「笑神籤(えみくじ)」ですゑひろがりずの名前が出たとき、お二人は「よし」という感じでしたもんね。

三島 願ってたら、ほんとに出ましたからね。ちょっと怖くもなりましたが、よしよし、行ってこうみたいな。

南條 もう、待つよりは早く行きたかったですからね。

「前日に非常階段で登場シーンを20回練習しました」

――まず、お二人の登場シーンが話題になりました。せり上がりで、2人が小鼓と扇子を掲げながら上がってきて。それから、南條さんは、階段を降りるとき、音楽に合わせ小鼓をポンポン鳴らしていたんですよね。

南條 練習の成果が出せました。

――練習されてたんですか?

三島 前日、渋谷のヨシモト∞(無限大)ホールという劇場の非常階段で、後輩に見てもらいながら、登場の仕方の練習を20回ぐらいやりました。どんなポーズをして上がってきたら、いちばん雅やかに見えるかな、と。

 あと、袴なんで、階段を降りるときに裾を踏まないよう何度も練習しました。

――本番の階段って何段ぐらいあるんですか。

三島 4段ぐらいです。あそこがいちばん緊張しましたね。心臓がクッとなりました。

南條 あんな動き、人生でないですからね。下を向いて降りてって、目の前に何百人のお客さんが待ってるなんて。

2020.02.28(金)
文=中村 計
撮影=山元茂樹