こだわったモブの描き方と細かな仕掛け

――キャラクター以外の作画について、何か工夫されていることはありますか?

清水 新しい要素を入れつつも、昔からのファンも大事にしたいと思っていて、それがモブ(名前のない人間キャラクター)の描き方に反映されています。

 第6期で出てくるモブの顔は、僕の絵で描いているモブもいれば、水木顔で描いているモブもいるんです。絵の幅を広くとることで、視聴者がどこかにフィットしてくれればいいなと思って意図的にこうしています。

 他にも面白い仕掛けはありますよ。例えば、ねずみ男がよく持っている1万円札には、水木さんの肖像画が貼り込まれています。

 これは言っていいのか分からないんですけど、第1話「妖怪が目覚めた日」で動画投稿者が剥がしていた呪符、あれは本物なんです。

 僕自身少し霊感があって、その道の方と繋がりがあるので、その方に書いてもらいました。これからも画面に映る機会があると思いますので、注意してみてください。

――細部までこだわって画面を作られているのですね。最後にファンと視聴者の方へメッセージをお願いします。

清水 この人気を維持できるように、面白いものを作り続けていきたいです。あと、第6期から『鬼太郎』に入られた方には、ぜひ昔のアニメや水木さんの原作も読んでいただけると嬉しいですね。

★アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』はフジテレビほかにて毎週日曜朝9時放送中! ※地域により放送時間・曜日が異なります。

清水空翔(しみず そらと)

1986年生まれ。フリーランスのアニメーターとして活躍。『IS〈インフィニット・ストラトス〉2』('13年)総作画監督、『艦隊これくしょん? 艦これ?』シリーズ('14年)クリーチャーデザインなど。

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※こちらの記事は、2018年10月7日(日)に公開されたものです。

記事提供:文春オンライン

2020.02.27(木)
文=「文藝春秋電子書籍」編集部