伝統の江戸切子細工を気軽に体験
きらめくオリジナルグラスを

●切子工房 浅草おじま

 江戸切子は、江戸時代後期から続く伝統あるガラス工芸品。ガラスの表面に繊細な彫刻を施すことで、優美な模様が浮かび上がります。

 職人として一人前になるのに10年はかかるとか。熟練の技術によって生み出された模様は繊細にして力強く、ため息の出る美しさです。

 江戸切子の伝統技法を気軽に体験できるのが、浅草寺近くで三代続く老舗の切子工房、浅草おじま。透明なグラスに自由に下絵を描き、グラインダーで削って模様を浮かび上がらせていきます。

 力の入れ具合や動きによって、描き出される模様は微妙に変化。はじめは緊張するものの、削り出した模様がキラリと輝くのを見ているうちにだんだん面白くなって、いつの間にか熱中してしまうこと間違いなし。

 完成した作品は、小さなミスはあるもののキラキラした輝きのおかげでかなり素敵に見えて思わず感動。自分で集中して作り上げたと考えると、この上もなく愛着が湧いてきます。

 好きなモチーフや、自分の名前、メッセージなどの文字を刻んだりと発想は自由。「このグラスで何を飲もう」と想像を巡らすのも楽しく、何よりの旅の思い出になります。店内では職人さんの作品も購入できるので、気の利いた江戸土産にぜひ。

切子工房 浅草おじま

所在地 東京都台東区浅草4-49-7
電話番号 03-4285-9664
http://edokiriko.jp/asakusa-ojima-koubou.html

入手困難の大人気パンを
ベストの美味しさで味わうカフェ

●ペリカンカフェ

 昭和17年に創業、以来美味しいパンの店として広く知られてきたのが浅草・田原町にある「パンのペリカン」。密度が高く、もちもちした深い味わいにはファンが多く、今もほぼ予約必須という人気ぶりです。

 遠方から来たのに買えなかったという嘆きの声を受けて、せめてできたての味をその場で食べてもらおうと2017年、徒歩2分の場所にオープンしたのがペリカンカフェ。

 シンプルにパンの美味しさを楽しむ炭焼きトーストは、炭火でじっくり焼き上げるから外側はパリッとして中はもちもち、旨みがギュッ。コーヒーや紅茶もパンに合うオリジナルブレンドで、至福のひとときを過ごせます。

ペリカンカフェ

所在地 東京都台東区寿3-9-11
電話番号 03-6231-7636
https://pelicancafe.jp/

2020.03.02(月)
取材・文=嵯峨崎文香
撮影=佐藤 亘