台湾式おせち料理「年菜」で
家族揃ってお祝い

 台湾では大晦日の夜に家族が集まり、年菜(台湾式おせち)と呼ばれる料理をいただくのが古くからの慣わし。

 円卓テーブルにずらりと並べられる料理には、日本と同じく様々な意味が込められています。

 その中でも一番代表的な物は頭付きの魚料理。中国語に「年年有餘」という言葉がありますが、これは「ゆとりのある毎日を過ごせますように」といった意味をあらわす四字熟語。

 「魚(yú)」の発音と「餘(yú)」の発音が同じことから、おめでたい日の食卓に必ず作られる1品ですが、この魚は大晦日に全部食べ切ってしまってはいけません。必ず少しだけ残すのが古くからの習慣。

 そのほか大根餅(蘿蔔糕)は、1年の運気がアップしますようにという願いを込めて、いただきます。こちらも「糕(gāo)」という字と「高(gāo)」の発音が同じということで縁起を担ぐ料理。

 さらには良い1年をスタートさせようという気持ちを込め、「大根」もよく食べられるとか。これは台湾語で大根の事を「菜頭」と言い、中国語の「彩頭(幸先の良い)」の意味を含むからだと言われています。

 頭付きの鶏肉なども準備し、家族揃って食事を楽しみます。

2020.01.10(金)
文・撮影=矢作晃之