慢性的な肩こりが
人を過食に走らせる
じつはそのきっかけとして意外に多いのが、慢性的な肩こりです。肩周辺がガチガチにこり固まっているとき、糖質を摂ることで心身のバランスをとりたくなるのです。
たとえば、休日に高速道路を使って遠出したときに、サービスエリアで無性にソフトクリームなどの甘いものを食べたくなることがあると思います。
緊張する人と一緒に何時間も過ごしたあとや、重大な仕事の会議の直後なども同様です。
肩こりと緊張する体験に共通しているのは、普段はシーソーの関係にある自律神経が、交感神経側に振り切ってしまっているということ。手っ取り早く副交感神経を上げてバランスをとろうと、体が糖質を欲するのです。
糖質を一気に食べて血糖値が急上昇すると、やはりここでもバランスをとるために、血糖値を下げるインスリンが分泌されます。
この作用で血糖値が急激に下がると今度は低血糖状態となり、生命の緊急事態を脱するためにまた糖質を強く欲してエモーショナル・イーティングに走る、ということが繰り返されます。
「血糖値の乱高下」が精神をより不安定にします。
でもそうやって過食行動で体を無理やり駆動している人―ガツガツ食べて一見アクティブに働いているビジネスパーソンを診察すると、 “体がオーバーヒートしている”状態です。
東洋医学ではアクティブで元気な人を「実証(じつしょう)」、控えめで疲れやすい人を「虚証(きょしょう)」と分類しますが、見た目は実証なのに、内臓は疲れ切ってへろへろの“隠れ虚証”になっている人が今はとても多いのです。
当然さまざまな不調も併発しますし、不調から生じるストレスからさらに過食が進んでしまう。
食べて一時的に気持ちが上がっても自己嫌悪に陥ってメンタルの状態はどんどん悪化していく、結果、肥満状態から抜け出せなくなる。そんな悪循環に陥るわけです。
※本稿は『心と体のもやもやがスーッと消える食事術』(文藝春秋)の一部を再編集したものです。
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著者 工藤孝文
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スーッと消える食事術
2019.12.19(木)
文=工藤孝文
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