頭痛、肩こり、首こり、動悸・胸痛、喉のツッカエ、めまい、耳鳴り、慢性的な下痢、うつっぽさ......。すべて食事で治せます!

 ダイエット外来の医師である工藤孝文先生著『心と体のもやもやがスーッと消える食事術』(文藝春秋)よりご紹介します。

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一番強く感じている体の不調
それを治すと他の不調も軽くなる

 私はつねにシンプルに、「一番困っている不調は何ですか」「どの症状が先になくなったほうが楽ですか」と尋ねています。

 季節によっても強く感じる不調は変わるので、今その人の心身が優先的に必要とするものを浮き彫りにします。

 不調を抱えている患者さんたちはまず前提として、気持ちが落ち込みやすいうつっぽさを抱えています。

 その上で、実際の症状の出方としてはほとんどの場合、次のパターンに分かれます。

 21世紀の新しい「体癖」の概念として、「病名のつかない心身不調」6タイプを提唱します。

「病名のつかない心身不調」6タイプ

A:頭イタイタ型[イライラ、ストレス、不安障害]
B:肩ガチガチ・首ロック型[不安神経症、VDT症候群]
C:胸バクバク痛む型[自律神経失調症、不眠、不安神経症]
D:喉ツッカエ型[倦怠感、抑うつ、不安神経症]
E:目グルグル or 耳キーン型[抑うつ、ストレス]
X:下痢ピー型[過敏性腸症候群、ストレス、神経質]

 この6タイプに難しい自己診断は必要ありません。

 頭が痛いか、首・肩のこりが強いか、動悸や胸痛を感じるか、喉につっかえたような違和感を感じるか、めまいもしくは耳鳴りがあるか、慢性的に下痢を抱えているか――自分の「一番つらい症状」に該当するものを選ぶだけです。

 複数にあてはまる人も、優先的に治したい症状で、今のご自身のタイプを決めてください。

 家系的に心臓が弱いから、とか、若いときはよくめまいが起きていたとかは関係ありません。診察室でも過去の病歴をつぶさに説明しようとなさる方がよくいます。

 大きな既往歴を知ることは治療方針を決める上ではもちろん大切ですが、私が診察をしたいのは目の前にいる患者さんご自身で、治すことができるのも今起きている症状だけです。

「あなたが一番治したい不調は何ですか?」

 この質問に答えていただいて、もやもやとした不調に優先順位をつけ、「今、治すべきもの」にフォーカスしてもらいます。

 不思議なもので、一番強く感じている症状をきちんと治すと、付随する不調も消えたり軽減することがよく起こります。

 まずは主訴をひとつ治して、それでも残った不調があれば次の課題として取り組むことで、全身の状態はどんどんよくなっていくでしょう。

※本稿は『心と体のもやもやがスーッと消える食事術』(文藝春秋)の一部を再編集したものです。

心と体のもやもやがスーッと消える食事術

著者 工藤孝文
定価 1,300円+税
株式会社 文藝春秋
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工藤孝文(くどう たかふみ)

内科医。福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後、大学病院、地域の基幹病院を経て、現在は福岡県みやま市の工藤内科で地域医療を行う。糖尿病・ダイエット治療・漢方治療を得意とし、NHK「ガッテン!」、日本テレビ「世界一受けたい授業」、フジテレビ「ホンマでっか!? TV」などに肥満治療評論家・漢方治療評論家として出演。『緑茶コーヒーダイエット』『疲れない大百科』『やせる出汁』など著書多数。