運転手さんと探し当てた
名建築家のホテル
![新幹線で東京から約1時間半の軽井沢。2018年12月オープンの「ししいわハウス」。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/1/a/-/img_1af42f415c6a608f8cc50735b157a3cf294939.jpg)
最近、“有名建築家の建てたホテル”が増えています。今や、旅好き、建築好きが大好物なデスティネーション!
インフィニティプールを世に生み出した名匠ジェフェリー・バワのホテルを巡るスリランカの旅、スペイン北部で巨匠フランク・ゲーリー設計のホテル「マルケス デ リスカル」でワインを堪能、といった形で世界中に溢れています。
なぜ、一流建築家によるホテルが凄いのか?
意外にも、その答えが日本の軽井沢にありました。星野温泉にほど近い森に囲まれ、こじんまりと佇む「ししいわハウス」。プリツカー賞受賞の坂 茂氏によるリゾートホテルです。
![外観、内観に杉や樺など木材を贅沢に使用。ヒノキ風呂つきの客室。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/8/1/-/img_81024de6bdd5036609e504b49d8f0d4d137366.jpg)
「ししいわハウス」は強面な名前ですが、それとは裏腹に、木材がふんだんに使われ、優しい雰囲気のプチホテル。客室は10室のみ!
森の中の隠れ家といった雰囲気で、周囲に溶け込む木造2階建て。館内のどこからでも、森の借景を楽しめます。
遠慮深くこじんまりと立っているためか、軽井沢駅でタクシーの運転手さんに「ししいわハウスへお願いします」と伝えると、「いやー、知らないなぁ」と返事。カーナビに入れても、反応なし(取材当時)。
軽井沢の多くの運転手さんがほとんどのホテルを把握されるなか、「ししいわハウス」は地元でもまだ秘密のスポットでした。
とにかく獅子岩という地名を目指し、一本道をゆきます。「おっ! あれかな? アレしかないなっ」と、希望を託すように指さす運転手さん。その先に、木々の間からホテルの屋根がちょこんと飛び出していました。
![とんがり屋根がにょきっと天空へ。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/0/6/-/img_06749c6f8c38a880d5b7d4941ade2c27166367.jpg)
![天高なガラス扉が出迎える。そのまますぐフロントとしても利用されているライブラリーへ。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/a/7/-/img_a70d02848120878a8b0a183bc5e9221f213039.jpg)
![まるで教会の主翼のような内観のエントランス。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/2/0/-/img_20741d5fe19ae975f7419dafeb6079f8152575.jpg)
![ウェルカムドリンクをいただきながらチェックイン。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/0/6/-/img_06d78cf4af441f8fe9ade2ab86b22928167276.jpg)
不思議なのは、ホテルの構造。普通だと「四角い」イメージですが、ここは「縦長」。しかも蛇のように、ゆるやかに「くねくね」しています。
これは、この地に惚れこんだシンガポールの実業家でありオーナー、フェイ・ホアン氏と坂氏のコンセプト「自然に寄り添う」ため。
チェックイン後、客室へと導かれる沿道でその姿がはっきりとわかります。
![ゲストはいったん外へ出て客室へと案内されます。波形の屋根や外観がユニーク。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/f/2/-/img_f2721dcb348844d43af251f92000daa8117945.jpg)
2020.01.03(金)
文=CREA WEB編集部
撮影=佐藤 亘