バーといえば、銀座? 敷居が高くて入りづらい? いえいえ、東京の“今”を感じられるバーは、実は渋谷にできています。
どこも女性が立ち寄りやすいオープンな空間で、出会えるのは、初めて味わうカクテルたち。敷居は低く、クオリティは高く! 東京のバーは日々、進化しています。
日常のなかで出会う感動を
カクテルへと昇華させる!
凄腕バーテンダーのラボ兼バー
●LIQUID FACTORY
(リキッドファクトリー)
いわゆる奥渋と呼ばれる、いま注目のエリア。少し静かな通りに面して「LIQUID FACTORY」はある。2019年9月にオープンしたばかりの、全く新しいスタイルのカクテルバーだ。
従来のバーにありがちな重厚な扉とは裏腹に、通りすがりにも中が一望できてしまう全面ガラス貼り。外に置かれたベンチで、夜風に当たりながら飲むこともできる。
「奥の作業場は、カクテル作りの最新機材を揃えたラボのような場所。素材の仕込みや新しいレシピの開発をしています。
他のバーテンダーの人たちに時間貸しもしていて、いわばバーテンダーのためのコワーキングスペースです」と、工場長もといオーナーバーテンダーの齋藤恵太氏。
遠心分離機や低温調理機などから小型蒸留器まで備えるという充実ぶり。フレッシュなハーブや野菜、果物を素材に自家製のジュースやリキュールを自在に作れるので、カクテルも唯一無二の味わいが生まれる。まさに“液体工場”!
カクテルメニューをめくると、並ぶのは初めて見る名前ばかり。すべてが齋藤氏のオリジナルレシピで、いつでも楽しめるシグネチャーカクテル4種類に加え、春夏秋冬で年4回入れ替わるシーズナルカクテルが8種類揃う。
それぞれに材料や、味わい、強さがわかりやすく表示されるので、想像を巡らせながら悩むのも楽しい。ウィットに富んだネーミングセンスにも注目だ。
齋藤氏が目指すカクテルは「誰でも美味しく味わえる」もので、日常的にカクテルを飲み慣れていなくても、一口めから美味しく味わえるように気を配る。
新しいカクテルのイメージは、レストランで出会う料理がきっかけになることも多く、例えば「ラビットファクトリー」は、キャロットラぺからヒントを得たそう。
過剰な甘さやキツさがなく、自然な素材の風味を感じる軽やかな味わいが多いので、女性に嬉しい。気負わず普段着で立ち寄れて、独創的なカクテルをさらりと楽しめるニュースポット。
ぜひ、新しい液体との出会いを探しに訪れてみて。
LIQUID FACTORY
(リキッドファクトリー)
所在地 東京都渋谷区宇田川42-12-101
電話番号 03-6416-5252
営業時間 17:00~25:00、金・土曜 17:00~26:00、日曜 17:00~24:00
定休日 月曜
席数 16席+スタンディング
https://www.liquidworks-jpn.com/liquid-factory
●店内禁煙
2019.12.22(日)
文=伊藤裕香
撮影=佐貫直哉