令和に改元して約5カ月が経つ。

 皇后雅子さまが、一連の即位儀式に着用された「ティアラ」や「ネックレス」。大粒のダイヤモンドが放つ、そのまばゆい輝きに驚いた人も多いのではないだろうか。

 これらは新天皇が平成の天皇から受け継がれたものである。

 「文藝春秋」編集部が、宮内庁に「即位に際し、天皇が上皇から受け継がれたもの」(以下、御由緒物)のリストを閲覧請求したところ、全部で23ページ、約580点の御由緒物が墨塗りなしで公開された。これらはすべて歴代天皇に私的に受け継がれてきた皇室の私有財産だ。

 三種の神器はもちろん、それらと同列に位置づけられる2つの「秘宝」、刀剣乱舞ファン垂涎の刀剣類のほか、国宝や重要文化財に指定されても不思議ではない、第一級の文化財も含まれている。

 「文藝春秋」10月号では、この「御由緒物」を紹介。

 宮内庁の三の丸尚蔵館で12年間研究員を務め、現在は「開運! なんでも鑑定団」(テレビ東京系)に出演する大熊敏之さんと、歴史学者の磯田道史さんがリストを読み解き、「天皇家の家宝」の謎に迫った。

 「天皇の持ち物」であるリストのうち、皇后の雅子さまがお使いになるものは、最後のページに「皇后陛下御正装の装身具類」としてまとめられている。その数は20点だ。

2019.10.20(日)
文=「文藝春秋」編集部