スペイン旅行を予定しているなら必見のスポット

「セルバンテス文化センター」は、スペイン語の振興と教育、そしてスペインおよびスペイン語圏文化の普及を目的として、スペイン政府によって1991年に設立された組織である。もちろん、その名はかの大作『ドン・キホーテ』を著した稀代の文学者、ミゲル・デ・セルバンテスから採られていることは言うまでもない。

ギリシャ神話に登場する牛頭人身の怪物、ミノタウロスを描いた銅版画は15点にも上る。欲望や暴力的な要素のみならず、優美さをも持ち合わせた作品は何を訴えるのか

 5大陸に70以上の支部を擁するこの組織の中でも、最大の規模を誇るのが「セルバンテス文化センター東京」。麹町、市ヶ谷、四ツ谷、半蔵門、永田町のいずれの駅からもアクセスに恵まれた地に位置している。もしスペインへの旅行を考えているなら、その前にぜひ訪れるべき、収穫の多い施設だといえよう。

 現在、同センターは、スペイン開発金融公庫財団、スペイン大使館との共催で、パブロ・ルイス・ピカソの版画展「スイート・ボラール」を開催中だ。100点を集めたこのシリーズの全作が日本において公開されるのは、実に15年振りのこととなる。

<次のページ> さまざまな技法が駆使された全100点のコレクション

2012.11.23(金)