現実③
妊娠できない原因の
約半分は男性にもある

 最後に、男性陣には驚きかもしれない現実をお伝えします。

 「不妊症=女性のカラダの問題」と思われがちですが、実は不妊に悩む夫婦の48%は男性にも原因があるとされています。

 考えてみれば当たり前というか、妊娠には男性の「精子」と女性の「卵子」が受精することが必要で、決して女性だけの問題ではないのです。

 しかし、そういった実情を知らずに「妊娠は女性の問題」として考えている方は多いのではないでしょうか。

 夫婦で子作りをしはじめて1年経っても妊娠しない状態を「不妊症」と定義しますが、不妊を疑った際に「まずは女性だけが検査」となっている夫婦は少なくありません。

 正直、これでは「原因特定のための検査をちゃんとした」とは言えない状態です。

 もし男性側に原因があるにもかかわらず、女性のみが検査を受け、「特に原因も見つからないのに、おかしいな……」という状態のまま妊活や不妊治療を進めることは、「時間」と「お金」と「体力」の無駄になりかねません。

 本書では、男性の「精子」の健康についても解説し、妊活を「女性だけ」の問題ではなく「夫婦の問題」として向き合えるようにしたいと思います。

※本稿は『やさしく正しい 妊活大事典』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

『やさしく正しい 妊活大事典』

著・吉川雄司
監修・月花瑤子
定価 1,500円+税
プレジデント社
» この書籍を購入する(Amazonへリンク)

吉川雄司

ヘルスアンドライツ代表取締役。妊活や不妊治療に取り組む夫婦をサポートする事業を展開。クラウドファンディング「妊活大事典プロジェクト」発起人。
Twitter @UG_0117
ブログ https://ameblo.jp/yy-0117/


月花瑶子

産婦人科専門医。東京・新宿にある不妊治療専門クリニック杉山産婦人科に勤務。ヘルスケア企業にて医療監修のチーフアドバイザーを務め、講演なども行っている。