TOKIOは和製モンキーズ?

近田氏は1951年生まれ。ジャニーズで同年生まれのタレントには、フォーリーブスの故・青山孝がいる。

近田 まぁ、やっぱりSMAPだよね、今の流れを作ったのは。さっきも言ったけど、あそこで大きく変わったと思う。

矢野 SMAP以降で気になった人って誰がいますか?

近田 TOKIOがね、バンドとしていいと思ったよ。音に個性はそんなにないけれど、歌いながら演奏して、一方で普通のタレントさんみたいなことをやる。そこはもうちょっと世間はリスペクトしてもよかった気がするよ。あと、本人たちがすごく楽しそうに演奏するよね。あの感じは僕は好きだったよ。もう見られないのかもしれないけどさ。

矢野 僕は普段は学校現場で働いているんですけれども、去年の文化祭で高校生が「LOVE YOU ONLY」をやっていたんです。

近田 バンドで?

矢野 はい。初めて組んだバンドで最初にやった曲がTOKIOだったんです。音楽サークルでも音楽クラブでもなく、運動部の連中なんですけど、彼らが最初にやるのがTOKIOなんだって、ちょっとうれしくなりました。たしかに楽しそうに演奏するからいいんだなって。

近田 TOKIOの曲って、演奏しながら歌うことに適したようにすごくうまく作られているのよ。その楽しさを子どもたちはテレビを通じて感じたんじゃないですかね。

 普通ロックバンドって、前にリードヴォーカルの人がいて、あとはバックバンドになっちゃうじゃん。テレビでも前の人しか映さない。TOKIOは全員がちゃんと映って、顔をちゃんと覚えられる。そんなバンドってなかなかないのよ。

矢野 たしかに全員に見せ場がありますね。

近田 でさ、ドラム叩いてる姿とかもいちいちいいわけよ。ものすごくバンドらしい感じがしたのを俺はよく覚えているよ。

矢野 ロックバンドでありつつ、さっき話に出たショーアップ、みんなが踊っているようなノリがあるんですよね。♪君が~ (君が~) ってコール&レスポンスで盛り上がれますし。そういうことも含めて、ミュージシャン本位になりすぎていないというのはきっとあるんでしょうね。

近田 しかもちゃんと演奏できるじゃん。そういう意味で言うとモンキーズに近いよね。モンキーズも自発的に組んだバンドじゃなくて、オーディションだしさ。TOKIOもジャニーズに入ってから「ここに入りなさい」って決められたわけでしょう。それなのにいいアンサンブルを聴かせる。その感じは他にない魅力になっていたような気がするけどね。

2019.07.24(水)
構成=高岡洋詞
撮影=山元茂樹