日伯を代表する大物シンガーの
コラボレーションに期待

 そんなこんなしていたら、マルコス・ヴァーリが9年ぶりの新作アルバムをリリースしたことを知った。

 令和の世になっても五木ひろしとの魂の共振は健在だろうかと思ったら……そのジャケットには、やっぱりシンパシーが込められていた。

左:『五木ひろし全曲集2018』の副題に記された「ファイブズエンタテインメント」とは、五木自身が率いるレコード会社の名前である。
右:『Sempre』は、2019年5月末にリリースされた最新作。2019年7月17日(水)には国内盤が発売となる。
左:『五木ひろし全曲集2018』の副題に記された「ファイブズエンタテインメント」とは、五木自身が率いるレコード会社の名前である。
右:『Sempre』は、2019年5月末にリリースされた最新作。2019年7月17日(水)には国内盤が発売となる。

 今回のマルコスによる五木へのオマージュっぷりは、あまりにも高度である。

 パッと見、ジャケット同士の類似性は窺えないが、よくよく見れば、ポケットに手を差し込むポージングで五木本人をコピーし、そのヘアスタイルで愛犬たちをコピーしている。

 複合的だ。もう、ただの物真似じゃ満足できないのだ。

 ここまでディープに理解し合っているのだから、いっそのこと、この2人にはユニットを結成してほしい。

 ユニット名は「マルコス・五木」? いや、何だか語呂がいいからあのバンドまで巻き込んで「マルコス・イツキ&オメガトライブ」として活動していただきたい。君は1000%!

「REIKO」は、1986オメガトライブからカルロス・トシキ&オメガトライブに改名してから3枚目となるシングル。アイスコーヒーについて歌ったナンバーではない。こちらのジャケットは、英語ヴァージョンをA面に配したもの。左端の人が鼠先輩にしか見えないのだが在籍していたのだろうか? 
「REIKO」は、1986オメガトライブからカルロス・トシキ&オメガトライブに改名してから3枚目となるシングル。アイスコーヒーについて歌ったナンバーではない。こちらのジャケットは、英語ヴァージョンをA面に配したもの。左端の人が鼠先輩にしか見えないのだが在籍していたのだろうか? 

 さっき『スリラー』の話題が出たのでついでに触れておくが、カルロス・トシキ&オメガトライブが1988年に発表した「REIKO」は、『スリラー』以降のマイケル・ジャクソンへの敬意に満ちたエレクトロファンク。

 この曲においては、カルロス・トシキではなく、黒人シンガーのジョイ・マッコイがヴォーカルを取っている。

 テレビの歌番組に出演した際の演奏を動画サイトで視聴することができるが、逆三角形のフォルムを強調した真っ赤なジャンプスーツや手袋といったスタイリング、ムーンウォークやスピンといったアクション、そして歌の合間に挟まるシャウトやフェイク、すべてがマイケル・ジャクソンそのものなので、ぜひチェックしていただきたい。

ちなみに、梶田昌史・田渕浩久著『杉山清貴&オメガトライブ 35年目の真実』(DU BOOKS)は、杉山以外のオメガトライブのメンバーが録音には参加しておらず、スタジオミュージシャンが演奏を行っていたという事実をことさらスキャンダラスな筆致ではなくごくサラリと明かし、そこからサウンドの分析を進める名著。杉山清貴&オメガトライブは2019年春にデビュー35周年ライブツアーを行ったばかりである。
ちなみに、梶田昌史・田渕浩久著『杉山清貴&オメガトライブ 35年目の真実』(DU BOOKS)は、杉山以外のオメガトライブのメンバーが録音には参加しておらず、スタジオミュージシャンが演奏を行っていたという事実をことさらスキャンダラスな筆致ではなくごくサラリと明かし、そこからサウンドの分析を進める名著。杉山清貴&オメガトライブは2019年春にデビュー35周年ライブツアーを行ったばかりである。

 とか何とか半信半疑のうちにいろいろと邪推を繰り広げてきたわけだが、たった今、2019年7月10日(水)にリリースされる五木ひろしのニューシングルのタイトルが「麗しきボサノヴァ」であるという情報が入ってきた。

 ビンゴ! 俺、割と間違ってない!

……やっぱり似てる!
……やっぱり似てる!

ヤング(やんぐ)

CREA WEB編集長。さっき、五木夫人の芸名である「和由布子」を「かずよし・ぬのこ」とうっかり誤読してしまったので、今日からTEAM OKUYAMAの一員として認めてほしい。

Column

CREA WEB編集室だより

このコラムでは、CREA WEB編集室の日常を彩るよしなしごとを報告しつつ、CREAおよびCREA Travellerのプロモーションに励んでいきます。紀尾井町から、さわやかな風をあなたに。

2019.06.17(月)
文・撮影=ヤング
写真=文藝春秋