次々と明らかになる相似性
まずは、マルコス・ヴァーリのデビューアルバムを俺のレコード棚から引っ張り出してみる。
似ている。
リオデジャネイロと福井。それぞれの出身地の風土の違いがその背景に反映されてはいるが、デザインのコンセプトはまるっきり同じである。髪の分け目も一緒だ。
次は、マルコス・ヴァーリの名を一躍高からしめた名盤の登場だ。
タートルネックにテーラードのジャケット。
Yシャツにネクタイというお堅い社会規範から少しばかりはみ出ようと試みる男性にとってひとつの定番ファッションだが、この2人の伊達男は、そんなカジュアルフライデーのレベルにとどまらない根っからの洒落者っぷりを見せつけてくれる。
出た。世界中のミュージシャンが一度はチャレンジしたいと考える、『スリラー』オマージュである。
なお、本家マイケル・ジャクソンの『スリラー』は、姿勢の左右がマルコス・五木とは逆となっている。
2019.06.17(月)
文・撮影=ヤング
写真=文藝春秋