砂浜ドライブを楽しみながら
いざ、能登へ!
昨晩からの雨も朝にはあがって、いいお天気。車で能登へと向かいます。
途中、千里浜なぎさドライブウェイを通ります。ここは日本で唯一、砂浜の波打ち際を車で走れる場所。気分爽快です。
金沢市街を出発して約90分で能登の港町・七尾市に到着。
古くから城下町として栄えた能登の中心で、金沢とは趣の異なる文化が育まれました。そのひとつが「花嫁のれん」。
能登では花嫁さんが嫁入りする際、華やかな花嫁のれんを持参し、嫁ぐ家の仏間の入口に飾るという慣わしが幕末のころに生まれ、時代は令和へと変わった今にも受け継がれています。
花嫁のれん館
長い歴史を誇るもつ七尾市には、見どころがいろいろあります。
レトロな情緒を残す一本杉通りには、老舗のお醤油屋さん、昆布海産物屋さんのほか、おしゃれな雑貨屋さんなどもあって、のんびりお散歩が楽しいエリアです。
さて、なかなか漁船に乗らないな……とお思いでしょうから、そろそろ漁師さんのところに向かいます。
訪れたのは、七尾南湾の海辺に渋~い港町の風景が広がっている三室町。奥深い趣があっていい感じの場所です。
まずはここでタコツボ漁&地引網を体験します。
漁業組合の番屋を訪ねると漁師の杉本純一さんがくつろいでいます。
「タコツボ漁でいちばん獲れるのは7月から8月。今日はちょっとむつかしいかなぁ」
あらら、残念……。
「だから今の時季は地引網だね」
さっそく目の前の海へと船を出します。
腰をかがめて網を引きあげるのは、杉本さんの弟の石中晋二郎さん。
本業は7代続く船大工。能登でも希少な技能を受け継ぐひとりです。
ユネスコ無形文化遺産にも登録されている七尾のお祭り「青柏祭(せいはくさい)」のハイライト、高さ12メートル、重さ20トンという日本最大の曳山「でか山」。
その、直径約2メートルの巨大な車輪を作ることができる唯一の職人さんで、実はものすごい人なのです。
網を引いていくのは、とても地道な作業。
でも網の中に「あっ、いたいた!」。
その瞬間からテンションはものすごくあがって、俄然、楽しくなってきます。
ちなみにこの地引網体験、小さなお子さまでも参加することができます。
2019.06.07(金)
文・撮影=矢野詔次郎