地産地消や郷土料理といった従来の概念から離れ、進化した旬なオーベルジュに注目。土地の滋味や文化を目で舌で、五感で味わおう。
日本の三大料理民宿と称された
「さんなみ」が衣替え
●民宿ふらっと
![運がよければ海上に浮かぶ立山連峰が望める。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/a/6/-/img_a638a307fe503dcee78a97c72fdf3158184367.jpg)
新幹線のおかげで金沢の旅はぐんと身近になったが、その先の能登はまだ少し遠い印象。でも、調べてみると羽田から能登までわずか1時間、たまにはひとり旅も気楽かも、と思い立ち、一路能登へ。
![鄙びた風情が趣味のよさを物語る門構え。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/f/3/-/img_f306e22b9bb55e6d06b386ad94bc9d64348613.jpg)
目指したのは海を一望する「民宿ふらっと」。
![外観。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/8/-/img_e8a4ede9d90f513249c5b31633774ad8322639.jpg)
実はここは、かつて日本の三大料理民宿と称された郷土料理の宿「さんなみ」があった場所。
![炉端で朝餉を支度する智香子さん。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/3/5/-/img_355765ffed266e4197b8342e2d35f37e139531.jpg)
娘である智香子さんがそのスピリッツと建物を受け継いだが、料理は和から離れ、オーストラリア人の夫・ベンジャミンさん(以下、ベンさん)が繰り出す“能登イタリアン”に。
![夏みかんを摘むベンさん。2千坪の敷地には柚子や山椒の木が実を結ぶ。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/9/1/-/img_91f4acb259934207828f9884a820483a316052.jpg)
「能登特有の発酵食品に出合って魅了されたベンさんが、私の両親に弟子入り。昔ながらの郷土の味や文化が薄まらず、伝わっているのが能登のよさなんです」と智香子さん。
2019.02.07(木)
Text=Kaori Minetsuki
Photographs=Tamon Matsuzono
CREA 2019年2・3月合併号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。