最近よく聞く“糖化”。とにかく悪いことらしいけれど、「実はよくわからない」という人も多いはず。正しく知って、この先の肌も体もヘルシーに!

 青山ヒフ科クリニック院長の亀山孝一郎先生に聞きました。


糖化は一度起こると
肌にも体にも怖い現象

「糖化とは、体の中にある余分な糖が活性酸素によって酸化し(カルボニル化)、それがタンパク質とくっついてしまうこと。その変質した糖とくっついたタンパク質はAGEsと呼ばれ、硬くなったり褐色化したりして蓄積され、老化の原因になります」

 “糖化”っていったい何ですか?という質問に対する亀山先生の回答がこちら。たしかに健康によくなさそう。でも、肌にもそんなに悪いの?

「はい、悪いんです。たとえば角層内のコラーゲンは通常さらさらしていて可動性があるのですが、糖化するとコラーゲン同士がガチッとくっついて硬くなり、可動性がなくなってしまう。すると、弾力のないゴワゴワした肌になってしまうんです。表皮の色が黄色っぽく見えてきたりもします。実際、顕微鏡で糖化している細胞を見ると、黄色くなっているんですよ」

 黄色っぽくてゴワゴワ、それは避けたい! また、糖化による弊害は決して肌に限ったことではないそう。

「ちゃんと細胞の中に入った糖は悪さをしません。まずいのは細胞の外にいる糖。つまり血糖値が高い状態だと糖化のリスクが上がるわけです。血糖値が高いままだと肌の衰えだけでなく、肥満や糖尿病、動脈硬化症、さらにアルツハイマー病などにつながる恐れもあるんです。まずは食事療法で血糖値を上げないことがとても重要です」

 余分な糖があり過ぎる状態でいるとよくない、ということだ。

「もちろん糖は、人間の体や脳の活動にとって欠かせません。ただし、高糖質食、高脂質食は避け、必要以上の摂取は控えることです。女性の場合、一見痩せていて普段は血糖値が正常でも、食べた後に急上昇する人もいるそうなので、注意が必要です」

2019.05.06(月)
Text=Machiko Saito
Photographs=Hirofumi Kamaya

CREA 2019年4月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

春こそ、とことんスキンケア。

CREA 2019年4月号

ゆらぐ季節に肌にいいこと、いいもの
春こそ、とことんスキンケア。

定価780円

うっかり日焼けする日もあれば、まだ乾燥する中でうるおい不足のときもある。そして環境の変化や花粉症の影響も。肌へのプレッシャーが多い春だからこそ、とことんケアをしてみませんか? 春肌の「こんなとき、どうしたらいい?」に応える、いいこと、いいものを集めた保存版ビューティガイドです。