「時には娼婦のように」が
鳴り響いてほしい場所は?
「時には娼婦のように」は、78年に発表されたシングル。作詞家として名を馳せるなかにし礼が、ここでは作詞のみならず作曲まで手がけている。
元々、なかにし自身がシンガーソングライターとしてレコーディングしたアルバム『マッチ箱の火事』の収録曲で、シングル自体もなかにしと黒沢の競作として同日に発売された。
その歌詞は、なかにし礼以外には綴りようのない淫蕩の美学に満ちている。
ちなみに、20年ほど前、渋谷の24時間営業居酒屋「山家」で夜ごと飲んだくれていた頃の筆者とその周辺は、戯れに「今こそセンバツ入場行進曲にすべき名曲」を選考していた。
その結果、断トツの1位に選出されていたのが「時には娼婦のように」である。
疑問など持たないでいい。何らかの手段でこの楽曲を耳にすれば、俺の言っている主旨に痛いほど膝を打っていただけることだろう。これほどマーチングに向いた楽曲はそうそうない。
そして俺は、カラオケボックスに赴き、「時には娼婦のように」を高らかに熱唱し、歌詞と歌詞との合間に、「宮城県代表・仙台育英高校! 福島県代表・聖光学院高校!」などと叫ぶのである。
よく考えるとセンバツは都道府県代表として出場するわけではないような気もするが、まあ細かいことは気にしなくていい。
そんな風に思いながら、レモンサワー片手に、「ジョイサウンド」渋谷南口駅前店の朝は白んでいきます。
さて、もう一人、GSスタジオのCMに出演していたタレントが、元ずうとるびの江藤博利である。
数年前、田辺誠一の描くプリミティブなイラストがちょっとしたブレイクを果たした時、俺は思った。
これがこんなに持て囃されるなら、江藤博利画伯が「三波伸介の凸凹大学校」で披露したドローイングの数々は、今こそ再評価されるべきであると。
江藤作品は、今こそLINEスタンプなり何なりの形で復活すべきである。そしたら俺、いくら出しても買うよ!
……とか何とか威勢のいいこと言って、すでに売られていたらすみません。うーん、100円までだったら購入を検討します。
そろそろ締める。
「とことん」の一語から脱線を続け、当該号の内容については今に至るも何も言ってないわけだが、これ以上駄弁を垂れ流しても誰も読まないであろう。いいよ、もう! 帰るから!
とにかく、CREA4月号「春こそ、とことんスキンケア。」をぜひともご購入ください。
別れのあいさつの前に、「時には娼婦のように」と「ゆかいなじいちゃん」を並べておこう。
ということで、(安い笑顔をせいいっぱい浮かべながら)カラオケGSスタジオで、待ってます!
ヤング(やんぐ)
CREA WEB編集長。先日、会社のエレベーターに乗り込んだ直後、ふと大川栄策さんが出演する「スターどっきりマル秘報告」のVTRを思い出しひとりニヤニヤしていたら、次のフロアでドアが開いて社長が入ってきたよ。
Column
CREA WEB編集室だより
このコラムでは、CREA WEB編集室の日常を彩るよしなしごとを報告しつつ、CREAおよびCREA Travellerのプロモーションに励んでいきます。紀尾井町から、さわやかな風をあなたに。
2019.03.28(木)
文・撮影=ヤング
写真=下井草 秀、文藝春秋