雑貨コーディネーターのオモムロニ。さんは、時に、ギフト探偵として、いろんな相談を受ける。贈る相手やシチュエーション など条件に合わせていろんなアイデアを教えてくれます。

 著書『DAILY GIFT BOOK 気持ちが伝わる贈り物アイデア』よりお届けします。

» 第1回 メンズギフト篇
» 第2回 インパクトおやつ篇
» 第4回 産前産後ギフト篇


Q:
ある時期から
女友だちへのプレゼントが
ハンドクリーム、入浴剤、
ハーブティーの
ローテーションに
なってきています……。

A:
いろいろ選べる
定番オブ定番こそ
変化球で勝負したい。

 ずっとモヤモヤしていたんです。大げさにいうと「入浴剤・ハンドクリーム・ハーブティー選びがち問題」。

 え、問題? ちょっとしたお返しやプチギフトの言わば定番オブ定番でしょ、何がダメなの?

 いや全然ダメじゃないんです。小さいし軽いし、割と手頃だし、種類も豊富だし、フードより扱いやすい消えものだし、貰ったほうにも負担が少ない。

 ダメじゃないどころか、冷静に考えるほど間違いのない優等生。私も貰うことだってあるし仕事のセレクトで候補に挙げることもあるのに、個人的には何となく避けてたんです。

 最近になって、ようやくモヤモヤの原因をつきとめました。

 去年の今頃、モテ指南を生業とするある男性がSNSで「バレンタインのお返しには◯◯(某ハイブランド)のコットンがおすすめ、安いのに箱と紙袋効果でお値段以上」とつぶやいてザワザワしたことがありました。

 コットン自体の是非は置いといて、そのつぶやきに対する女性たちからの(ほとんど大喜利のような)皮肉たっぷりのリプライには総じて、言葉の端々に透けて見える「女性はだいたいブランドロゴに喜ぶ」という思考停止と、そうやって十把一絡げにされることへの苛立ちがほとばしっていました。

 あ、でもこれって例のモヤモヤとなんか似てる……。配りものを貰ったときに感じる、そこはかとない自分の“その他大勢”感。

 レアものや高価なものなど、特別なものである必要は全然ないのだけど、誰にあげてもそこそこ喜ばれる最大公約数的なアイテムだからこそ、誰でもないあなたのために選んだのだと、気持ちが伝わるような選び方や贈り方が必要かなと思いました。

 当たり前だけど、入浴剤もハンドクリームもハーブティーも悪くない。

 モヤモヤが晴れてスッキリした最近は、積極的にこの3つをチョイスするキャンペーン中。

 例えばオフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーのハンドクリーム「ポマード・コンクレット」。

 個性的で一見気が強そうだなと思ってた子が実はすごく穏やかで控えめな子だった、みたいな優しい香りと使い心地。モノから相手を思い浮かべて、あの人にあげようかな、なんて妄想もいいですよ。

2019.02.13(水)
文=オモムロニ。
撮影=釜谷洋史、佐藤 亘