例年2月の旧正月に加え
9月にも開催がスタート!
ランタンの中の空気が炎で暖まって、空中に飛び上がろうとしている。私たちは熱いランタンの裾を足で押さえ、司会者の掛け声を待っていた。
台湾語で「1、2、3」の合図で100個ものランタンが一斉に夜空に放たれる。澄んだ夜空をどこまでもどこまでも上昇していく。風に乗って遠くに飛ばされるランタンが見えなくなるまで、ずっと私たちは眺めていた。
打ち上げ花火を間近で見るような興奮の後に感じるのは一抹の寂しさ。遠ざかっていくランタンを見ていると、懐かしいような感情が湧き上がり心が温かくなった。台湾人が愛し自慢するランタンの魅力が理解できた気がした。
台湾人はランタンが
大好きなのだ
約100年の歴史を持つ平溪スカイランタンフェスティバル。近年では、旅行番組ディスカバリーチャンネルの「世界2大フェスティバル」やナショナルジオグラフィックの「世界の冬に行くべき10大観光地」に選ばれ、多くの観光客に愛される祭りに成長した。
嬉しいことに、2017年からは年に2回の開催となった。これまでの元宵節(台湾の旧正月=2月)に加え、中秋節(中秋の名月=9月)にも行われるようになったのだ。CREA WEB編集部員は、2018年9月24日(月)に行われた中秋節の「ランタンフェスティバル」に参加した。その模様をレポートする。
スカイランタンフェスティバルの
舞台裏
2018年9月に行われたフェスティバルの会場は、台北近郊にある新北市の平溪中学校の校庭だった。ただし会場は平溪の公共施設が持ち回りで提供するので、もし次回見に行こうと思うならば注意が必要。新北市の公式サイトで情報を確認する必要がある。
祭りは夕方6時にスタートした。「ステージでのバンド演奏」と「ランタンあげ」が交互に行われる。ランタンは一晩に約100個が9回に分けてあげられるので、合計900ものランタンが空に放たれたことになる!
山に向かって飛んでいくランタンは、その後どうなるのだろうと気になるが、昔からあるお祭りなので、規制などはかけられていない。台湾ならではの大らかさに開放感を感じる。
ランタンの素材は紙で、サイズは直径約1メートル。底にわら半紙が数枚仕込まれていて、係員がガスバーナーで紙に火をつけてくれる。すると中の空気が暖まり、気球のように上昇するという仕組みだ。
2018.10.05(金)
文・撮影=CREA WEB編集室