いちばんの憧れは、カッコいい祖父

――そのほか、どのようなジャンルの仕事をやってみたいですか?

 ミュージカルもやってみたいです。叔母の片岡サチが元宝塚歌劇団だったこともあって、小さいときから宝塚の舞台をよく観させてもらったんです。「エリザベート」や「ファントム」などで、歌舞伎とは違う歌と踊りに圧倒されていました。前に尾上松也のお兄さんが「エリザベート」のルキーニ役をされたのも観ているんですが、そのときに「僕はルドルフ役をやりたい!」と思ったぐらいです。歌うことも好きです。とにかく欲張りで負けず嫌いな性格なので、いろんなお仕事をやってみたいです!

――今、憧れている俳優がいれば、教えてください。

 好きな俳優さんはコリン・ファース。あと、ジョニー・デップのカッコ良さやトム・クルーズにも惹かれます。好きな女優さんはリリー・コリンズ。もともと、オードリー・ヘップバーンが好きだったので、ちょっと似ている感じが好きなんです。十八代目の(中村)勘三郎のおじさまは、僕にとって、いつまでもスターですが、客席や映像で祖父のお芝居を観ていると、「僕って、本当にあの人の孫なのかな?」と思うぐらいカッコいいんですよね。僕もあんなふうにカッコ良くなりたいと思いながら、密かにセリフの言い回しのマネをしています(笑)。

片岡千之助(かたおか せんのすけ)
2000年3月1日生まれ。東京都出身。03年7月、大阪松竹座にて「男女道成寺」の所化で、初お目見得。翌04年11月、歌舞伎座にて「松栄祝嶋台」(通称「お祭り」)の若鳶千吉で、片岡千之助を名のり初舞台を踏む。祖父は十五代目片岡仁左衛門、父は片岡孝太郎。

シネマ歌舞伎『東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖』
お伊勢参りから江戸に戻った弥次郎兵衛(市川染五郎/現:松本幸四郎)と喜多八(市川猿之助)。伊勢までの道中で一文無しとなった二人は、仕方なく歌舞伎座のアルバイトを再開。相変わらずの失敗続きで、怒られてばかりのなか、舞台で殺人事件が発生! 2人は犯人として疑われてしまう。
*シネマ歌舞伎とは、歌舞伎の舞台公演を映画館の大スクリーンのデジタル上映で楽しむ映像作品。
http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/
(C)松竹株式会社
2018年6月9日(土)より全国公開

くれい響 (くれい ひびき)
1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。

Column

厳選「いい男」大図鑑

 映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。

2018.06.22(金)
文=くれい響
撮影=白澤 正