Magnificent View #1385
バイシャリ(インド)

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 インド北部にあるバイシャリは、出家した釈迦が最初に修行した地であり、最後の説法を行った地。ある年、干ばつが続いたうえに疫病も流行し、困り果てた統治者が釈迦に救いを求めたところ、雷鳴が轟き大雨となり、すべてが解決されたという伝説も残る。

 この地に残るのは、インド初の統一王朝、マウリヤ朝のアショーカ王が造った石柱だ。武力による政治に心を痛めたアショーカ王は、石柱に釈迦の教えを刻み、仏教の理念に基づく法による統治をめざしたという。

 釈迦がいた当時、バイシャリは北インドにあった16の大国のひとつ、リッチャビ族の王国バッジの首都でもあった。時を経た今は、水田やライチ畑が点在し、牛や農民が行き交うのどかな風景が広がっている。

 旧暦の4月8日は釈迦の誕生日。この日は、静かな村も多くの仏教徒でにぎわう。

Column

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2018.04.08(日)
文=芹澤和美