キプロス随一のネイチャートレイルを
ジープに乗って巡る
キプロスの北西端に突き出したアカマス半島に行くツアーに参加した。アカマス半島には舗装された道路はないので、ツアーで使用する車は四輪駆動のジープだ。社中では、ネイチャーガイドのパニコスさんが運転しながら半島の自然について教えてくれる。
アカマス半島は国立公園として自然が保護されているエリア。キプロスの中央部が火山の噴火によって陸になったのに対し、アカマス半島や首都のニコシアなどは海底の石灰岩が隆起して陸となった。
500種類以上の植物が確認されているほか、キツネやヤギ、ウサギなどの野生動物も生息していて、ハイキングやサイクリングが人気だ。周囲の海ではスノーケリングやダイビングも楽しむことができるという。
まずは、半島の南側にある聖ジョージ教会へ。小さな教会で自由に中を見学することができる。でも、この場所のハイライトはその眺望だ。ここからはアカマス半島全体を眺めることができるのだ。
再び車に乗って北へと向かう。アイオス・ゲオルギスの石灰岩の断崖絶壁が現れた。その周囲の海は海底が透けて見えるほど透明度がいい。夏になると断崖に空いた洞窟を観光するボートツアーや、スノーケリングやダイビングが人気だ。
さらに半島を北上し、ララビーチを望む高台へ。そこには小さなビジターセンターがあり、ここでパニコスさんがカメの産卵について教えてくれた。
ララビーチには、毎年7~8月にカメが産卵のために訪れる。グリーンタートル(アオウミガメ)とカレタカレタ(アカウミガメ)の2種類で、その数なんと200匹あまり。1匹のカメは80~100個の卵を3カ所に産むそうで、2016年には600カ所で卵が確認されたという。
右:向かって左が火山の噴火によって噴き出した溶岩でできた石、右は海底から隆起した地層の石。キプロスではその両方を見ることができる。
パニコスさんは、地質からカメの産卵、道端のハーブや足もとに咲く小さな花まで、さまざまなキプロスの自然について教えてくださり、とても楽しいツアーとなったのだった。
2017.11.16(木)
文・撮影=たかせ藍沙