絶対にカラオケ映えする
新御三家のナンバーは?

西城秀樹の「抱きしめてジルバ」は、ジョージ・マイケル「ケアレス・ウィスパー」の日本語カバー。ほぼ同時期に、郷ひろみも同曲のカバーを発表したため、競作となった。関係ないが、藤田まことが主演を務めたミュージカルは「その男ゾルバ」。

 彼らの歌は聴くだけではもったいない。ぜひ一曲はカラオケでマスターしてほしい。忘年会シーズンの今がチャンスだ! 出過ぎたお世話かもしれないが、営業カラオケでオススメの新御三家曲を紹介しよう。

 スタートダッシュにピッタリなのは「マイレディー」(ヒロミ)や「激しい恋」(ヒデキ)。振りつけて歌えば初っ端の冷めきった場が少し温まるはずだ。

 中盤、喉が慣れてきたところで歌唱力をアピールしたいなら「オレンジの雨」(五郎)や「抱きしめてジルバ」(ヒデキ)が狙い目。「やるな小僧……!」と驚きの視線が集まるだろう。

「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」。場所はロサンジェルス・センチュリーシティ。なんと撮影の時間がなく有り物のスナップから選んだという。公式サイトはこういった楽しい情報が充実している。ぜひチェックしてみよう。

 ラスト近くは「2億4千万の瞳」(ヒロミ)、「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)ヤングマン」(ヒデキ)。

 これで場の空気を一つにまとめたところで一番お偉いさんにマイクを渡し、北島三郎の「まつり」で締めてもらうと、「宴もたけなわではございますが」とスムーズなお開きが叶うこと間違いなしである。

誰もが認める大トリ曲は「まつり」。まつり感のできるだけ濃い画像として、高尾山の豆まきにおける北島先生の雄姿を掲げておく。

 なにやらカラオケ指南みたいになってしまった。話を戻そう。

 さて、新御三家は三人とも今も現役だ。

左:「第3回国民的美魔女コンテスト」のゲストとして熱唱する郷ひろみ。彼こそまさに美魔男である。
右:「ザ・レジェンド・チャリティプロアマトーナメント」に出場した野口五郎。プレイ中もおそらく、何かしらの駄洒落を連発しているはずだ。

 超人的体力とジャケットプレイでエンターテイメントを極めるヒロミ。デュエットアルバムを発売し、その包容力と優しさで聴かせてくれる五郎。そして、二度の脳梗塞に倒れながらブーメランの如く私たちの元に戻ってきてくれたヒデキ。

2016年のヒデキ。最新曲「蜃気楼」は魂の響きだ!

 彼はリハビリを重ねステージに立ち「憂鬱など吹き飛ばして、君も元気だせよ!」そう私たちの背中を押してくれている。なんと誇らしい初恋だろうか!

 その姿を見ていると、私もガムシャラに輝きたいと思ってしまうのだ。

 デビューから45年、カンゲキを届け続けてくれるヒデキ。これから先も一万光年応援し続けます!

田中 稲(たなか いね)
大阪の編集プロダクション・オフィステイクオーに所属し『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(実業之日本社)など多数に執筆参加。個人では昭和歌謡・ドラマ、都市伝説、世代研究、紅白歌合戦を中心に執筆する日々。現在は「関西ウォーカー」で“Kansai Walkerで振り返る! 00年代の関西”連載中。著書に『そろそろ日本の全世代についてまとめておこうか。』(青月社)。
●オフィステイクオー http://www.take-o.net/

Column

田中稲の勝手に再ブーム

80~90年代というエンタメの黄金時代、ピカピカに輝いていた、あの人、あのドラマ、あのマンガ。これらを青春の思い出で終わらせていませんか? いえいえ、実はまだそのブームは「夢の途中」! 時の流れを味方につけ、新しい魅力を備えた熟成エンタを勝手にロックオンし、紹介します。

2017.10.17(火)
文=田中 稲
写真=文藝春秋