音楽やコーヒーが重要な要素となる村上作品。知ればより深く楽しめるはず。すべての著作と、インタビューなどを基に、作家本人のポートレートや気になるキーワードとあわせて、「村上春樹を読み解く会」代表の齋藤隆一さんがその魅力を一気に解説します。CREA2017年9月号から抜粋した一部を前後篇でご紹介。
» 後篇
【A】
AUTOMOBILE[自動車]
マニュアルカーが好き
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デビュー作から最新作まで、自動車は作品の重要なアイテム。本人は、デビューからしばらくの間、車にあまり興味がなかったが、1986年からヨーロッパに長期滞在することになり車が不可欠に。免許を取得してランチア・デルタ1600GTieを購入し、運転の面白さに開眼する。ローマ滞在中に書かれた『ダンス・ダンス・ダンス』、『眠り』以降、主人公が車を運転するシーンが頻繁に出てくるようになったのは、その影響だろう。
好きな車は、マニュアルシフトの2人掛けのオープンカー。運転している時の自由な感じがたまらないそうだ。
2017.08.09(水)
文・監修=齋藤隆一(「村上春樹を読み解く会」代表)
撮影=佐藤 亘、釜谷洋史
CREA 2017年9月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。