知る人ぞ知る美食の国、マレーシア。この連載では、マレーシアの“おいしいごはん”のとりこになった人たちが集う「マレーシアごはんの会」より、おいしいマレーシア情報をお届け。

中国から伝わった飲茶文化

 焼売、肉まん、小籠包など日本でもおなじみの点心。点心の本場といえば、思い浮かぶのは香港でしょうか。じつはマレーシアの点心もすごいんです!

マレーシアで点心は、ディムサムとよばれている。中国茶を飲みながら点心を食べることを広東語で飲茶(ヤムチャ)といい、「飲茶する?」という言い方もする。

 庶民的な点心専門店や高級ホテルの点心ランチ。にぎやかな夜市では、焼売が定番のおやつとして売られ、エッグタルトはベーカリーでも販売。屋台で買ったほかほかのマントウをオフィスでほおばるビジネスマンがいたり、週末の朝はかならず点心店で外食という仲良し家族がいたり。マレーシア人にとって点心は、なじみ深い“いつもの”味なのです。

マレーシアは、人口の約30%を中国系民族が占め、彼らの祖先が持ちこんだ点心がマレーシアの食文化として根づいた。今も中国系の料理として愛されている。

 また、豚を食べないイスラム教徒の人も楽しめるマレーシアらしい発展系の点心もあります。豚肉のかわりに鶏肉を使用した“ポークフリー”の点心です。

マンダリン・オリエンタル・クアラルンプールの中国料理店では、ポークフリーの点心を提供。小籠包から焼売まですべて鶏肉で作られている。鶏っぽいパサつきは一切なく、肉汁はジューシー。さすが!

2017.06.29(木)
文・撮影=古川 音(マレーシアごはんの会)