アミメ業界の最新トレンドに迫る!

 そんなこんなである休日に目覚めたら、頼んだ覚えのないアマゾンからの荷物が宅配ボックスに届いていた。完全に忘れていたが、数日前の晩に赤羽だか十条だかの飲み屋で泥酔しながらスマホで購入したものらしい。開封してみたら、いろいろとアミメグッズが入っていた。

この赤い物体は何だか分かるだろうか?

 まずはこれ。「棒ネット」と商品名を言ってもにわかには何だか分かるまいが、この写真は100本セットである。そのうち1本だけを下の写真のように使えば、おなじみのあれだと誰もがすぐに気づくはず。

「延伸棒ネット」の値段は100本入りで税込712円。

 そう、みかんや玉ねぎを入れる包装材である。

かつて、小学校や中学校などでは、棒ネットに入った石鹸が水飲み場にぶら下がっていたものだ。やっぱりそういう時はレモン石鹸だ。そういや大学時代、下井草のアパートに住んでいた俺は、みかんを食べ終わった後のこのネットに石鹸を入れて、電気ごたつの中に消臭剤代わりにぶら下げてたな。今、急に思い出した。昔っから何だかずっと貧乏性である。

 しかし、俺はこんなものを100本も買ってどうするつもりだろう。とりあえず、稲田防衛相を真似て網タイツみたいに素足に履いてみようか。

 チューリップなどの球根保管用には、「球根ネット」というのも売られていた。4色のカラーバリエーションがうれしいね!

「球根ネット」は10本入りで税込193円。

 さっきの棒ネットと球根ネットのメーカーは「日本マタイ株式会社」という。

 一風変わった社名の由来は新約聖書の「マタイによる福音書」だろうか、キリスト教系企業なのだろうかと思ったが、ホームページを見たら、創業時の主要商品であった「麻袋」を片仮名で表記したものだと分かった。こうやって、人生において大して役に立たない知識がまた脳内に溜め込まれていく。

「カラス博士のゴミネット」は税込1,694円で購入。宇都宮大学農学部の杉田昭栄教授が監修しています。

 「カラス博士のゴミネット」というのも買ってみた。何でも、網の繊維には唐辛子の辛味の主成分であるカプサイシンが練り込まれており、この化合物を苦手とするカラスを寄せ付けないのだという。また、カラスの視力では見えにくい黄色のネットなので、ゴミ袋を見つけにくくなっているのだとも。

 俺、現時点では特に鳥害に悩まされてはいないのだが、これ、どうやって使おう。仕事中の眠気覚ましに頭からかぶるかな。

「猫壱 おちつくネット」は税込498円で購入。適用サイズとして“仔猫から大きな子まで”と記されていたが、ずいぶん大ざっぱすぎやしないか。

 「猫壱 おちつくネット」は、その名の通り猫の気持ちを落ち着かせるためのアイテム。これに猫を入れれば、キャリーケースに入れることやシャンプー、沐浴、爪切りなどが楽になるのだそう。

 俺も、本音を言わせてもらうならば、仕事などしないで、こんなネットに入って日がな植田まさしの4コマ漫画でも読んでいたいものである。

 ……しかし、そんな弱音を吐いている暇はない。CREA WEB編集長としてネット業界の覇者を目指し、引き続きネットの研究に励みます! ネットの意味を履き違えている気もするが、とにかく頑張ります! あと、CREA3月号も買ってください!

ヤング(やんぐ)
CREA WEB編集長。愛犬の名前は光進丸。

Column

CREA WEB編集室だより

このコラムでは、CREA WEB編集室の日常を彩るよしなしごとを報告しつつ、CREAおよびCREA Travellerのプロモーションに励んでいきます。紀尾井町から、さわやかな風をあなたに。

2017.03.05(日)
文・撮影=ヤング
写真=文藝春秋