世界で初めて陸に上がった謎の生物とは?

とことんまっすぐな道。さすが、大陸!

 初日、西オーストラリア第2の都市ジェラルトンでのランチタイム、チームリーダーの女性ドライバーがまだ表情の硬い参加者に向かって、「ハ~イみんな、自己紹介しましょう。名前、国籍、年齢、旅の目的を言ってね」。

 参加者はドイツ、イギリス、イタリア、台湾、日本など多国籍、年代は1980年代後半~90年代生まれの若者たち。彼らより年齢が一周も二周も回っちゃっているのは私のみで、1名の英国男子以外は、ドライバーを含め女性ばかりの10名編成。

 ランチ後も、メンバーでぎゅうぎゅう詰めのミニバンは、ひたすら北上を続けます。

 それにしても、オーストラリアはさすが、大陸です。車窓を流れていくのは、どこまでも続くまっすぐな道。変化のあまりない、スケールの大きな風景の中に、時折野生のエミューが歩いていることも。また、車中(というか、私のバッグ内)に巨大なクモも出現。自然が濃いです。

バッグの中の巨大グモに騒いでしまい、車を脇道へ停めることに。そこで、スタック。私のせいで、申し訳ない……。
地上に上がった最初の生物が見られると聞き、ハメリンプールへ。

 奇岩群のピナクルズや、雄大な渓谷が広がるカルバリー国立公園も、大感動スポットなのですが、やはりハイライトは世界遺産のシャークベイ! 中でも地味にスゴイのが、ハメリンプールです。

岩場に見えるけれど、これが生きているストロマトライト。働きかけたら、反応するものだけが、生物だけじゃないのですね。

 塩分が通常の2倍の濃さの浅瀬に、岩のようなモノが点在しているのですが、実はこれら、ストロマトライトという生き物なのです。どう見ても、岩場なのですが、35億年前に最初に地上に上がった生命体で、いまだ成長を続けているそう。

 「100年後に来れば、成長しているのがわかるんじゃない?」と、チームリーダー。かつては、その希少さを知らずに、うっかり船の桟橋を架けてしまったこともあったとか。今は水上に架けられた遊歩道から間近で見られるよう、整備がされています。

2016.12.18(日)
文・撮影=古関千恵子