Magnificent View #1144
シュテファン大聖堂(オーストリア)

(C)Robert Harding Images / Masterfile / amanaimages

 オーストリアの首都ウィーンのシンボルといえば、シュテファン大聖堂。

 ロマネスク様式の教会として建設されたのは12世紀半ば。その後、13世紀から14世紀にかけて、「建設公」と呼ばれたハプスブルク家のルドルフ4世により、ゴシック様式に建て替えられている。

 聖堂の北と南にはそれぞれ塔がある。高さ約136メートルの南塔からは、ウィーン市街を一望。一方の北塔は、南塔完成後に建設工事が始まったものの、財政難から中断。本来は北塔と同じ高さになる計画だったが、結局、未完成の塔にドームをつけて現在の姿になった。

 ちなみに、ここはザルツブルクが生んだ奇才モーツァルトとも縁の深い場所。1782年には彼の結婚式が、そして1791年には葬儀が執り行われた。とはいえ、浪費癖から晩年は貧困に苦しんだモーツァルト。その葬儀は盛大なものではなく、地下納骨堂に通じる付属の礼拝堂でひっそりと行なわれたという。

Column

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2016.11.17(木)
文=芹澤和美