中秋節の夜空を飾るのは、盛大な花火とお月様
この旅で楽しみにしていたものがもうひとつ。毎年、中秋節のシーズンに行なわれている「マカオ国際花火コンテスト」だ。世界各国に数ある花火大会のなかでも最高レベルと評価されるもので、10カ国から参加する花火師チームが技と美を競う。この花火を観ようとマカオを訪れるツーリストも多い有名なイベントだ。
2016年で28回目を数えたこの大会がユニークなのは、花火だけでなくBGMとレーザーショーで競うということ。眺めも音も大迫力で楽しめるのが、海沿いに立つマカオタワー1階のテラス。私も、テラスの隣にあるポルトガル料理店「トロンバ・リージャ」で料理とポルトガルワインを楽しみながら、日本チームの花火が上がる時間を待った。
右:コンテストの審査員席は「トロンバ・リージャ」のすぐ隣。つまり、ここが花火を近くで観られるベストポジションなのだ。
日本チームがこのコンテストに出場するのは5年ぶり。代表として参加したのは、東京の老舗、丸玉屋小勝煙火店。テーマは伝統と革新を併せ持った「江戸・東京スタイル」ということで話題を集めていた。
ちょうど雲の隙間から満月がのぞき始めたそのとき、BABYMETALの「ギミチョコ!!」が鳴り響き、夜空に日本チームの花火がどーん! と打ちあがった。
海に映し出される花火と、まん丸のお月様。対岸にあるタイパの夜景も見えて、雰囲気も抜群。思わず、片手にしていたポルトガルの微発泡白ワイン「ヴィーニョ・ヴェルデ」が進んでしまった。
花火の翌日、各地でいただいた月餅をお土産に、帰国。コンテストの結果を聞くと、優勝したのは日本チームとのこと。美しい水辺の夜景と花火とお月様を眺めた中秋節の旅は、嬉しい知らせで締めくくられた。
【取材協力】
マカオ観光局
http://www.macaotourism.gov.mo/
芹澤和美 (せりざわ かずみ)
アジアやオセアニア、中米を中心に、ネイティブの暮らしやカルチャー、ホテルなどを取材。ここ数年は、マカオからのレポートをラジオやテレビなどで発信中。漫画家の花津ハナヨ氏によるトラベルコミック『噂のマカオで女磨き!』(文藝春秋)では、花津氏とマカオを歩き、女性視点のマカオをコーディネイト。著書に『マカオ ノスタルジック紀行』(双葉社)。
オフィシャルサイト http://www.serizawa.cn
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2016.10.18(火)
文・撮影=芹澤和美