京都駅から電車に乗ってわずか15分ほど。日常の喧騒はこの地に降り立った瞬間、たちまち忘れられるはず。青空に映える、あざやかな紅色や黄金色がきらめく紅葉の山々。渡月橋の下を流れる、大堰川のせせらぎ─。そんな秋景色につつまれながら、旬の味覚やコーヒーを楽しむショートトリップへ。

[AM 10:00] #紅葉パノラマ

見渡すかぎりの紅葉それが嵐山の魅力

後醍醐天皇の菩提を弔うため、1339年に足利尊氏が建立した天龍寺。西芳寺(苔寺)も作庭した夢窓国師による曹源池庭園。嵐山や亀山をとりこんだ借景式庭園で広大なパノラマの紅葉を一望できる。禅の教えがデザインされた天龍寺の名庭園で自分を見直すひとときを。

 風光明媚な京の奥座敷、嵐山。平安貴族の遊興の地として好まれたこの場所は、「小倉百人一首」でも詠われているほど。一年中、様々な趣があるけれど、一帯の山々が紅を差す、紅葉の風景はぜひ見ておきたい。

曹源池に面した大方丈。

 嵐山の地に着いたら、まずは世界遺産に選ばれている天龍寺を目指そう。臨済宗天龍寺派の大本山である天龍寺は、大方丈を中心に立派な堂宇伽藍が立ち並び、凜とした禅寺の雰囲気につつまれている。ここで見る紅葉はまた格別なのだ。隣接する宝厳院(ほうごんいん)も、いつもは非公開だが毎年春と秋には特別公開される。

法堂の天井画「雲龍図」。どこから見ても睨んでいるように見える八方睨みの龍が描かれている。
大方丈から見た紅葉は絵画のよう。
境内の竹林。

「天龍寺では曹源池の紅葉、宝厳院では苔むした庭に映える紅葉が美しいです。日本庭園は自分を見直すことのできる素晴らしい空間。急がずゆっくりと散策されると、明日からどう生きていけば良いかという答えも得られるのではないかと思います」(天龍寺宗務総長の田原義宣さん)

 豊かな自然と歴史遺産の織りなす風景の中で過ごす時間は、得がたい感動を与えてくれるはずだ。

天龍寺
所在地 京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68
電話番号 075-881-1235
参拝時間 庭園・諸堂 8:30~17:30(10/21から3/20は~17:00 10/29・30は諸堂のみ休み)/法堂 土日祝 9:00~17:00(10/21から3/20は~16:00、春秋は毎日公開期間あり)
参拝料 庭園 高校生以上¥500/諸堂 庭園参拝料+300円、法堂 別途500円
http://www.tenryuji.com/


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2016.10.07(金)
Text=Hiroko Nakano
Photographs=Mariko Taya、Hideya Katsura、Katsuhiko Mizuno、Hidehiko Mizuno
Map=Kenji Oguro

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

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