Magnificent View #1082
サンダカン(マレーシア)

(C)Robert Harding Images / Masterfile / amanaimages

 マレー半島の東にあるボルネオ島。この島で、コタキナバルに次ぐ第二の都市が、港町サンダカンだ。

 マングローブが広がり、都会の顔を持ちつつも豊かな自然が残るこの街は、波乱に満ちた歴史を歩んだ。

 1833年、イギリス領北ボルネオの首都となり、木材の輸出港として発展。第二次世界大戦中は日本の占領下となるが、戦争末期、連合国軍の激しい空爆とサンダカン湾からの艦砲射撃により、街は壊滅してしまう。

 当時の街の様子は、往年の名優、田中絹代が晩年に主演した、からゆきさんを題材とする社会派映画『サンダカン八番娼館 望郷』にも描かれている。

 戦後、再びイギリス領となるが、マレー半島部がマラヤ連邦としてイギリスから独立した6年後の1963年9月16日、サンダカンのあるボルネオ島北部も連邦に合流、国名はマレーシアとなった。

 マレーシアの独立記念日は8月31日だが、サンダカンのあるサバ州では独自に、この9月16日を記念日として盛大に祝っている。

Column

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2016.09.16(金)
文=芹澤和美