(4) ガイドブックの情報が古いと思うことが多いのはなぜ?

 奥付を見るとほぼ毎年同じ時期に更新しているガイドブック(そのため、新しい版がいつごろ出そうか発売日から予測して、それまで待つのも賢い方法)。しかし、どうも情報が古いなと思うことはないでしょうか。

 これには理由があります。改訂の場合、全部の目的地では更新のための取材はせずに、主要都市のみですませている場合があるのです(もちろん電話番号などの確認はしていますが)。

 そのため、地方都市などの情報は、最新の現地取材を経ていない可能性があることを念頭におきましょう。

(5) いいホテル、悪いホテルを写真で見分ける方法は?

 ガイドブックは通常、どのホテルについても機械的に紹介しています。そのために、そのなかで特にどれがおすすめなのかわかりづらい場合が少なくありません。

 そんなとき、目安にしたいのが写真です。現地取材では、非常に多くの写真を撮影しますが、実際にガイドブックに使用されるのは1点、せいぜい数点です。そのため、取材者や編集者はとにかく少しでもよい写真を選ぼうとします。

 ですから、ガイドブックに掲載されている写真はそのホテルのなかでも、最も写真映りがいいものであることが多いのです。たとえば、客室の写真が使われていれば、そのホテルは部屋が広い、部屋の快適性が高いなどの可能性が高いといえます。

 ちなみに客室の写真の場合、写真に占めるベッドの割合が高いもの=狭い部屋を意味しているので避けたほうがよいでしょう。もっとも取材時にスイートなど、上のカテゴリーの部屋を撮影し、その写真をガイドブックに掲載するケースもあります。

 その場合、似ても似つかないほど狭い部屋にあてがわれる可能性もあるので注意が必要です。

 また、気をつけたいのが、花の写真のアップなどのイメージ写真が使われている場合。これはファシリティが古くて絵にならない場合、苦しまぎれによく利用する方法です。

(6) ガイドブックに載っているレストランはおすすめなのか?

 結論からいってガイドブックのレストラン情報はあまりあてにならないことがあります。特に冊子型のガイドブックで均等なスペースで割かれているレストラン紹介のなかには正直首をかしげたくなるようなセレクトも。

 ちなみにガイドブックの取材のほとんどで、取材者は実際に食べていないことが多いです。

 私は取材中極力掲載店で食べるようにしていましたが、それでもとても全部のお店では食べることはできませんでした。ホテルについては食べなくても部屋を見せてもらうことなどである程度良し悪しは判断できますが、レストランはやはり食べないかぎり判断できないもの。

 ただし、ムック形式などで大きくとりあげられているレストランは取材者が特に個人的におすすめのものであることが多いと覚えておきましょう。

(7) ガイドブックに載っている観光地は本当に行くべきなのか?

 実はガイドブックで最も旧態依然としている点は、見どころ(観光地)の選定だと思っています。博物館などが数多く出ていますが、なかにはここに行く価値ははたしてあるのかと感じざるをえないこともしばしば。

 実はガイドブックをつくるときに、ほかのガイドブックの観光地をリストアップして、それをもとにどこを掲載するか決めたこともありました。ほかのガイドブック編集の現場がどうなっているかはわかりませんが、それほど大きな差はないはずです。

 そのため、おすすめしたいのが、トリップアドバイザーやフォートラベルなど、ネットの口コミサイトとの併用。

 これらのサイトでは、各観光地について、口コミのスコア順に並べられています。

 また、写真も豊富なうえに、実際に行った人の本音が書かれており、その観光地が自分にとって興味深いものなのかどうかかなり正確に判断することができます。こうした口コミサイトとの併用はホテルやレストランでも活用できます。

トリップアドバイザー
URL https://www.tripadvisor.jp/

フォートラベル 海外旅行
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2016.06.13(月)
文=橋賀秀紀