「あと3分でもう一品」を可能にする「だしマリネ」とは?
「だしマリネ」はマリネといっても、酸っぱいわけではありません。これは、かつおや昆布、いわしなどの、「だし」をとるための素材を粉状にした「粉末だし」を使って食材を下準備しておき、料理に使う方法のことです。
野菜や肉などの食材に粉末だしを直接まぶしたり、素材とともに加熱し、そのままひたして漬け込んでおくだけ(これを「だしでマリネする」と呼んでいます)。こうすることで、食材本来の旨みや甘みが存分に引きだされるので、調理するときには少量の調味料を加えるだけで簡単に味が決まり、仕上がりがヘルシーに。さらに、硬い食材にはあらかじめ火を通しておくので、料理の時短テクとしても活躍します。
この連載のレシピで使用するのは、粉末だしを小分けにした「だしパック」。かつおと昆布をブレンドしたシンプルな味わいのものから、あごや煮干しなどをブレンドしたコク旨なものなど、最近ではいろいろな種類のだしパックが店頭に並んでいます。好みに応じて、好きなだしパックを選べば大丈夫です。
また使用する器は、密閉できる蓋付きの耐熱ガラス瓶のほか、普段使っている保存容器やジッパー付きのビニール袋でもかまいません。ガラス瓶は熱を通す食材の場合、レンジで加熱したあとに取り出してそのまま保存ができるので便利。そしてなんといっても、いくつか並べるとおしゃれに見える! 毎日、冷蔵庫を開けるのが楽しみになりますよ。
だしマリネには「葉野菜」「根野菜」「魚・肉」「かたまり肉」の4つの基本パターンがあります。まずはこれらの基本のつくり方についてご紹介しましょう。
[基本1 葉野菜] だしをふりかけてなじませるだけ!
カットした葉野菜に、だしの粉をまぶして瓶ごとシェイク! これだけで、野菜の味わいがグッとバージョンアップし、浅漬けのようにおいしく食べることができます。根野菜も、サラダなどで生のシャキシャキ感を楽しみたい時には、千切りや薄切りにして同様に粉末だしを全体に行きわたらせます。
このだしマリネした野菜と味噌を椀に入れ、熱湯を注ぐだけで味わい深い味噌汁が完成! 時間がないけれど、もう一品欲しいときに重宝します。保存は冷蔵庫で、2~3日を目安に使い切ることをおすすめします。
2016.05.01(日)
文=八代恵美子
撮影=深野未季