ホイアンはお土産探しと食べ歩きも楽しい!

軒先で職人が作業をする工芸品店やランタンショップ。こんな風景を眺めながら買い物をするのが楽しい。

 ベトナム中部での買い物は、ホイアンの旧市街が一番充実しているかもしれない。ここは小さな店が軒を連ねる雑貨パラダイス。小物や陶器、アクセサリーなど、お土産に買って帰りたくなるような物がたくさんあって、あれもこれもと欲しくなってしまう。

 とくに、ランタンショップやテイラー、工芸品店は、軒先で職人が作業をする光景も趣があって、見ているだけでも楽しい。

左:道端で売られていたのは、ベトナムのあちこちで見かける切り紙細工のカード。
右:ベトナム料理のサンプルのキーホルダーは旅の思い出にもなりそう。

 どれもリーズナブルなのに、丁寧に造られているのは、さすが手先が器用なベトナム人。道端で売っている小さな雑貨は、値段交渉しながら買うのがホイアン流だ。

野菜に鮮魚に日用品。市場はホイアンの台所的存在。

 もっとローカルに触れながら買い物を楽しみたいなら、ホイアン市場へ。早朝から日没まで営業していて、いつもたくさんのローカルで賑わっている。ホーチミンのベンタイン市場のような華やかさはないけれど、庶民の暮らしを垣間見ることができる場所だ。

左:ハーブや唐辛子がトッピングされ、見た目はベトナム料理そのもののカオラウ。でも、甘い醤油ベースのタレにからめて食べるスタイルは、たしかに伊勢うどんに似ている。麺にコシを出すため、井戸水を使っているのだそう。
右:蒸し餃子にも似たホワイトローズ。軽い食感で、食事というより、おやつ感覚。

 ホイアンならではの郷土料理も味わっておきたい。この街には、日本料理がルーツといわれる珍しい料理がある。

 カオラウは、江戸時代初期、朱印船に乗ってホイアンにやって来た伊勢商人、角屋七郎兵衛が持ち込んだ伊勢うどんが元になったといわれる麺料理だ。当時の日本人が、遠く離れた故郷の味を懐かしんで作った料理がベトナムに定着したというのは、ちょっとした歴史のロマン。

 ホワイトローズは、米粉で作られた皮の中に、エビのすり身を詰めて蒸し、揚げニンニクを添えたホイアン名物。見た目が白い薔薇に見えることから、その名がついたのだそう。

甘酸っぱいタレをかけて食べる揚げワンタンもホイアン名物のひとつ。豚肉やエビのすり身、パイナップルやトマトなどが入って酢豚のような味。ご当地ビール、ラルービールにもよく合う!

2016.03.16(水)
文・撮影=芹澤和美