●虹の向こうにあるものは

 さて、旅の最後に出るのは虹だ。ラスト曲「HEART OF RAINBOW  (album mix)」。そもそも、バラバラの個性が一つになり、美しい音楽を創り出すアルフィーは虹ととても似ている。しかし、彼らが表現する虹の意味はそれだけではないらしい。高見沢さんがこんな風に話しておられた。

「僕たちはもう70歳を過ぎたから、これから『上がっていく』というのはないけれど、その向こう側をみんなと見ていきたい。それが『虹』なんだ」

 THE ALFEEは、いつ見ても仲良しで楽しそうだ。歌手生活52年という長い長い活動を続け、4月17日に開催されるライブは、なんと前人未到の通算3000本目となる。

 なんと華やか。なんとハッピーで絶好調。けれどその「今」は、何度も倒れ、立ち上がり、苦しみも喜びも新しいフレーズにしてきた積み重ねで伸びてきた道。

 そんな彼らが歌うからこそ「涙の後に虹という名の愛を追いかけて」という歌詞には、単なるロマンチックワードではない、説得力を感じる。

 そして、その虹を眺め、指差し、高らかに宣言してくれるのだ。

「愛している 誰よりあなたを」!

 ブックレットをパラパラとめくりながら思う。これは、アルフィーからの手紙。新譜「君が生きる意味」は「ともに生きよう、僕たちがいるから」という熱い手紙つきの、魔法の鍵だった。

 よし、もう一回旅に出よう(再生ボタンを押す)。月の光よ、孤独の太陽よ、春の風よ、カモーン!

田中 稲(たなか いね)

大阪の編集プロダクション・オフィステイクオーに所属し『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(実業之日本社)など多数に執筆参加。個人では昭和歌謡・ドラマ、都市伝説、世代研究、紅白歌合戦を中心に執筆する日々。著書に『昭和歌謡出る単1008語』(誠文堂新光社)など。
●オフィステイクオー http://www.take-o.net/