●アルフィーという精霊に励まされ進む旅
プレイボタンを押し、目を閉じる。浮かぶのは「孤独」をテーマにした旅の物語。たった一人道なき道をヒーハーと進むヒロインが見える。1曲目の「月光譚 -Moonlight Rhapsody-」から4曲目の「疾風怒濤 -Mind Riot-」まで、まさに言葉通り疾風怒濤の旅路。道はあらゆる方向に曲がり、竜巻に巻き込まれ、心は知らぬ場所に飛ばされる。けれど不思議なことに、飛ばされるたびに孤独が薄まり、勇気がわいてくるのだ。
心の葛藤は薔薇、希望は月光――。心の揺らぎが美しい景色と重なり、1曲聴くごとに、タカミザーワ、サクラーイ、サカザーキという、タイプが全く違う精霊が現れて励ましてくれるイメージ。サクラーイ・桜井さんの張りのある声は自然界の精霊の長を、タカミザーワ・高見沢さんの突き抜ける高音は天啓を、サカザーキ・坂崎さんのやさしい声は、決して誰にも影響されない、自分の中のピュアな心の声を、代弁してくれる! ややこしいキャラ設定を交えて語ってしまったが、要は、立ち上がるパワーを3人からもらえる、そんな旅なのだ。
●落ち込み期間ヘビロテした「孤独の太陽」
タイトルナンバー「君が生きる意味」は、ドクン、トクンという心音、ダラララッダラララッという前進の足音が絡み合うようなイントロから「命」を思わせる。この曲には、リスナーから熱く思い入れのあるメッセージが多数寄せられているというが、納得。生きるってホントに簡単じゃない。ムズい、ムズすぎるよ! 悩み、泣き、空回り、デンジャラスな感情が表に出そうになり座り込んでしまう。けれど、彼らは言うのだ。それでも大丈夫。君が生まれた価値があると!
そんなストレートなメッセージを、メロディーの上に乗せきれるだけ乗せてくるものだから、聴くたびに胸にこぼれ落ちてくる。そのパワーで心は満たされ、旅の足取りは強くなる。
とはいえ、そこはアルフィーの世界。サビだけではなく、ハーモニーもイントロも間奏もとにかく壮大である。最初は徒歩だったのが、いつの間にやら、嵐荒れ狂う海原を小舟で揺られたり、満員電車に押しつぶされたり、アドベンチャーにもほどがある展開が待ち受ける。もみくちゃにされるが、精霊の3人に支えられながらたくましく美しくなっていく自分の心が脳内にありありと見えてくるのだ!
中世の騎士のごとく、凛と姿勢を正し、白馬をパッカパッカ進ませるイメージが浮かぶ9曲目の「鋼の騎士Q」。陽ざしの中で人のあたたかさに気づき、精霊のタカミザーワ、サクラーイ、サカザーキと「ヘイ!」と鼓舞し合うまでになっている。10曲目の「Be Alive」では、光の中手をつなぎ、信頼を確認し合うのだ。
……と勝手に妄想してしまうほど、曲順も本当に神(泣)。聴いた人、一人一人に向けて、3人からの励ましが届くような冒険物語がそこにあった。
余談だが、2曲目の「孤独の太陽」は、落ち込みと自己嫌悪が重なった2月のマイ・テーマソングだった。あっちゃこっちゃリズムが変わるプログレが、んもう不安定な情緒にぴったり。そこからバシッと「君の道を進め」と喝を入れられ、讃美歌のようなハーモニーに着地するミラクル! 励まされ過ぎて「うおおおお」と大声で叫びたくなるので、今のところ外では聴けない。情緒がもう少し安定したら、通勤で聴きたい。
