「視力は良かったけど…」メガネスタイルに至るまで

――メジャーデビュー後にそこまでするケース、あまり聞いたことないです。

 でも私、ライブを観てくれたお客さんが50人いたら、50人全員にCD売ってたんですよ。最終的には手売りだけで2万枚も売れて、まわりのスタッフからは「手売りの女王」って呼ばれてました。

――2万枚! 「手売りの女王」になるために何か秘訣があったのでしょうか?

 最初は標準語でMCしていたんです。でもお客さんたちがなかなか打ち解けてくれなくて。ある時にライブがうまくいかなくて空回りしたのか、阿波弁が出ちゃったんですよ。そしたらどっと笑いが起きたんです。こちらとしては、ただ地元の言葉を使っただけだったのでなぜ笑われたのかわからなかったんですが、そこからめちゃくちゃライブが盛り上がったので、「素のままの自分でいけばいいんや」と気づきまして。

 当時は安室ちゃんの時代だったのでメイクも濃かったんですけど、どんどん薄くしていって、衣装もジーンズにTシャツというラフなスタイルになっていきました。

――メガネをかけるスタイルもここから?

 今は老眼が始まっちゃったので本当に必要なんですが(笑)、当時は目が悪いわけじゃなかったので、ファッションとしてかけていましたね。やっぱり「ハーフは売れない」と言われていた時代だから、私の顔をメガネというアイテムで印象付けるようなフィルターが必要だったのかもしれない。人種が壁とされてしまうなんてとても失礼な話だけど、当時はそれが現実だったんでしょうね。

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アンジェラ・アキ

シンガーソングライター、ミュージカル音楽作家。日本人の父親とイタリア系アメリカ人の母親との間に生まれる。2005年にメジャーデビュー。2008年「NHK全国学校音楽コンクール中学生の部」の課題曲に書き下ろされたシングル『手紙 ~拝啓 十五の君へ~』が大ヒットしロングセラーに。2014年に渡米し、音楽を学ぶ。2024年にミュージカル作品『この世界の片隅に』の音楽を担当。2026年オリジナルアルバムとして約14年ぶりになるニューアルバム『SHADOW WORK』をリリース。

アンジェラ・アキ New Album
『SHADOW WORK』3,850円
ソニーミュージックレーベルズ レガシープラス
公式HP

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