3_塩「力強さと奥行きに惹かれた」

 日本の塩も、興味深いといいます。

「おもしろい塩がいくつかあり......あれは沖縄! 沖縄の『粟国の塩』です」

 強く印象に残っている塩として名前を挙げたのが、沖縄・粟国島の海から生まれる「粟国の塩」。世界各地の食材と向き合ってきたピエール マルコリーニ氏が記憶に留めているという事実だけでも、その個性がうかがえます。

 沖縄県・粟国島のミネラル豊富な海水を原料に、20年以上の研究と試行錯誤を重ねて生み出された自然海塩。力強さと奥行きのある塩味、そしてしっとりとした独特の質感が特徴です。

 甘味や香り、食材の良さをそっと引き立ててくれる存在として、繊細な味覚を持つショコラティエの心に残ったのも頷けるところです。

4_海苔「娘もおやつとして大好きなんです」

 日本通であることが特に印象的に伝わってきた日本土産が、海苔。

「来日したら浅草・合羽橋にある海苔店に必ず行くようにしています。小さなお店なのですが、入ってみると、さまざまな海苔がズラリと並んでいる。海苔の種類がこんなに豊富なのか、と驚いたんです。カリカリとした食感、ほどよい塩味、そして海藻の香り。それぞれに違う、その繊細な味わいは、実に素晴らしいですね」

 持ち帰った海苔は、そのまま味わうだけでなく、チップスのように揚げたり、料理の仕上げに散らしたりと、自由な発想で楽しんでいるそうです。

「実は、娘も海苔が大好物。学校から帰ってくると、そのままおやつとして食べているんですよ」と、家族にとっても、日本の海苔はすっかりお気に入りの存在なのだとか。

 さらに、海苔をはじめとする日本食材とショコラを掛け合わせたクリエイションにも、その感性が光ります。

「海苔をベースにしたプラリネを作ったこともありますし、ずいぶん前には、日本酒のガナッシュに黒胡麻を合わせ、紫蘇の葉で巻いたことも。蕎麦を使ってパスタを作ってみたら、それもとても美味しく仕上がりました」

 チョコレートの枠にとどまらず、日本食材の可能性をしなやかに広げ続けるーーそんなところも、ピエール マルコリーニ氏が世界を魅了し続ける理由なのかもしれません。

次のページ 上陸25周年のバレンタイン! 日本食材で彩る記念アソート登場