この記事の連載

白川恵吾さんが担当した、イチオシ作品は?

◆『ごはんが楽しみ』井田千秋/文藝春秋

 おいしいパンでスタートさせる朝、熱々中華をほおばる至福の時間。お気に入りのおやつ、お茶、食器――。『家が好きな人』(実業之日本社)がベストセラーとなった井田千秋さんが、「日々のごはん」を綴った初のエッセイ漫画。

「『家が好きな人』で、さまざまなお部屋と、そこに住む女性たちのささやかに満たされた生活を描いた井田千秋さん、初のコミックエッセイ。こんなブランチがしたい! となる『週末のクレープパーティー』から、眺めるだけでも楽しい『朝を彩るトーストたち』、胸にグッとくる『祖父母の家からもらった食器』まで、まるで友達と楽しくおしゃべりしているような、井田さんの語り口に引き込まれます。細やかで湯気が立ち上ってくるような、美味しそうなイラストもすてきです。夜に読むとおなかが空いてしまうかもしれませんが、ぜひ一話ずつ味わって読んでみてください!」

人生で思わず夜ふかしして読んでしまったマンガは?

◆『おろち』楳図かずお/小学館

「兄が読んでいた『漂流教室』をすこしだけのぞき見て、グロテスクさに震えた子ども時代。そんな私も、大人になってからは楽しんで夜通し楳図ワールドに浸れるようになりました。人間の業こそが一番ホラーであることを教えてくれる、全話ぶっ通し読みせざるをえない作品です」

白川恵吾さんの「マンガを読むときのマイルール」

「気合が入って作られているマンガには、こちらも気合を入れて読まねば……となります。ちゃんと時間を作って、作品と対峙する気持ちで一冊一冊を読むようにしています」

白川恵吾/コミック編集者

文藝春秋「コミック&エッセイルーム」編集者。担当作に『つづ井さん』シリーズ『私だけ年を取っているみたいだ。』『クマとカラス』(以上、文藝春秋)『うちの猫がまた変なことしてる。』『おひとりさまのあったか1か月食費2万円生活』(以上、KADOKAWA)など。

CREA夜ふかしマンガ大賞とは…

マンガを愛する選考委員とCREA編集部の推薦により選ばれた「思わず夜ふかしして読みたくなる」そして、「いま、CREA読者に本当におすすめしたい」作品に贈る賞。今年は初めて、15名のマンガ編集者の皆さんに選考委員をお願いしました。2024年7月~25年8月に単行本の新刊が発売された(ただし、合計5巻以内)、もしくは、雑誌などに最新話が発表された作品から選出されます(※選考委員の担当作は推薦不可、現在所属する出版社が発行する媒体の掲載作品は1作まで推薦可)。その他、マンガ好きの著名人の方々が選ぶ「個人賞」もあります。

Column

「CREA夜ふかしマンガ大賞2025」選考委員アンケート

2025.10.20(月)